CSAファームシェアのこと6

<CSAファームシェアのこと6>
キャンペーン中のCSAのこと
に“6”です。
CSAの背景についてです。
 
csaの特徴といえば、
目立つところで、生産者会議や信頼関係、
先払いなどがあります。
 
現在奈良のCSAでは、
長く続けてきた作付け会議、生産者会議、
産地交流勉強会を訳あってストップしています。
 
生産者さんたちが集まると、次第に打ち解けて
本当に楽しそうに畑の失敗談や成功体験、技術交流を交換します。
特に産地交流、技術勉強会は、
どの地域の小規模農家にとっても重要で、
時には自己を客体化し、
狭くなって偏った世界観を拓きます。
硬くなった考え方も柔らかくなります。
時には真剣に自分の農業経営とも向き合う機会です。
技術の不足も表面化します。
 
もしかしたらCSAの真髄なのかもしれません。
 
しかし、協働すると言うことは、
豆知識1と2で触れたような構造、
お互いが競争相手でもある仲なので、
様々な不協和音も生まれます。
世に言う分断、孤立です。
それぞれが助け合うという、自立の本質から離れて農業をせざるを得ない。
 
2020年代で、利害と私心を超えて協働すると言うことは
ことのほか難しいようです。
 
しかしその孤立路線では、
世代間を超え有機農家同士、隣人の間の
技術の共有や伝承が減ってしまいます。
各地域の有機農業の技術レベルが、
どんどん下がってしまうことにも繋がります。
 
例えば、価格の付け方、台所に届けるべきものかどうかの見極め。
そう言うことをなるべく若手のうちに、
体に刻んでおかないといけませんし。
 
そうなこんなで、かつて機能していた組合のようには行かず
煮詰まりもあり、奈良でも今はストップ。
 
でもそんな時でも大事なのは自主性です。
今繋がりのある地域で、生産者自身が垣根を超えていく。
その技術、連携の必要性を感じて動く。
より成熟した有機農業人生を次の若者が過ごせるように、
業態を超えて手を取り合う時期は、
またもう直ぐ近くまで来ているようにも思います。
 
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<豆知識4>
 
◯ある若者が有機農業を志す時に経由する道程あるある。

 
「販売」にまつわる道程。
 
家族や友達にまず直売。
ネットで直売。
送料で行き詰まることが多い。
身近な小さなお店で小売。
マルシェで小売。
料理店へ卸。
売上は少なく実務過多になるケースが多い。
市場や企業、直売所で
流通にのせる。
既得権に食い込めなかったり、
買い叩かれたり、
買取制でなくロス廃棄
などで消耗するケースが多い。
 
「技術」にまつわる道程。
 
研修を受ける。
長いか短いかで農業人生が大きく変わる。
給付金やクラファンなども含めた資金で、
高価な農業資材を手に入れる。
(ハウスやトラクターなど)
家族の農地があれば大きなアドバンテージ。
実践で学ぶ。独学も。
最近はyoutubeなどで学ぶ。
近くに厳しいことも教えてくれる、
ベテラン、中堅農家が存在していれば成長しやすい。
技術共有する横のつながりが少ない現場が多いので、
(地域で面倒を見る仕組みも先細りです。)
個人の才能と努力に、農民としての成長が委ねられることが多い。
流通の立場も踏まえて勉強し技術を磨く。
(地域に正義と反骨の流通が必要)
台所側の事情も踏まえて技術を磨く。
(地域に厳しいことも愛を持って教えてくれたり、
農業以外の社会の構造、地球規模で考え、地域で行動する消費者が必要)
※他に収入源があると技術の成長は少ない。
 
「家族やチーム」にまつわる道程。
 
友人や家族に手伝ってもらう。
パートナーと出会う。
結婚する。
子供が一人できる。
子供が複数人できる。
地域の仕事がどんどん増える。
研修生やアルバイトが入る。
正社員が入れれるようになる。
親の介護なども必要になる。
 
農業人生の過程において、健全に継続するための対価が必要となる。
 
 
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