【 マーケットの向こう側 】vol.8 八百屋と種屋さんの話

 

“ NARAFOODSHEDと五ふしの草の共同制作で連載 ”

食べることを深く知り、考えるため
作り手や届け手、食べ手の思いを訊く

街のファーマーズマーケットに関わる人々を
“水を運ぶ者(裏方スタッフ)”
ガイド的に寄稿するルポルタージュ「マーケットの向こう側」

小さな農を土台とした地域循環の中で、マーケット内外の農家さんや八百屋さん、料理人や裏方、お客さんたちの人生にフォーカスし、作り手、繋ぎ手、食べ手の奥行きに触れる媒体です。

お互いの垣根を越えるきっかけになれば嬉しいです。

/ 編集・写真 :  榊原一憲


 

今回のvol.8は、畑懐・中村訓さんにお話を訊く『 八百屋と種屋さんの話 』です。

場所は、裏奈良で飲屋街、新大宮の名店「俵」。
古い収録(2024年6月)になるのと(変化の多い時代なので、今と違うところも少しは出てきているのかもしれません。)
お酒の席にもなるので(すみません)、気楽にと言いますか、あまり硬くならずにお付き合い頂きたいです。
いつかどこかで誰かに受け取ってもらえたならなぁと思っていた話で、あえてというより、たまたま「今」になりましたが、語られていることを眺めて共有して頂ければと思います。

2025年12月。
長らく在来種や有機種子などを販売してきた畑懐の中村さんは、日本採種組合を立ち上げました。
目的は「国内採種の復活を目指して」
採種農業者、種屋、販売店、など11名のチームで組み、始まりました。
結成の趣意は、畑懐さんのインスタにてご覧いただけます。
このひとつの行動。素晴らしいしワクワクします。本当にこれからの日本の農業にとって、
とても大切なことが擬縮されてるなぁとも感じていますし、これからの活動をみなさんにもフォローして頂けたらなぁと思っています。
そんな気持ちを抱えつつ、このお話し、ある時、ある二人が話し合ったことをお伝えします。

 

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榊原 まず最初に。でっかい八百屋、流通業は、これからなくなっていくよと出会ってすぐに仰ってたんですけど、これはどういう意味でしょうか?

中村 単純にこれから日本の農業文化の状況を見たときに、大きく作物を画一的に揃えられへんっていうのがまずある。 そこよりもね、今まで僕たちが信じてきたビジネスモデル自体がもう限界だから。 例えばそれが終わると思って、つながりで食を循環していかないとあかん時代がもう結構割と押し迫ってるみたいな。 自分の食べるものは自分たちで金出して買える。みたいな時代はもうおしまいじゃないかなって思ってる。 自分の手元にちゃんと食べることをしっかり持ち直さないと。 そこから立ち直せないと、立ち行かないと思ってる。


榊原
 例えば大きい種屋さんはどうなんでしょうか? ゲノム編集があって、遺伝子組み換えがあって、海外の大きい種屋さんとか大きな企業が日本の種屋さんをなんか支配するんちゃうかっていう、すごい漠然とした疑問なんですけど。種屋さんに関しては、大きい種屋さんと小さい種屋さんはどう考えたら?
中村 例えばある大手(の種苗会社)はね、今はまだわかんないけど、上場してない。
もう一つのみんな知ってる大手はしちゃってる。もう株を持ってる人が外国人かもしれない。
日本種苗協会ってあるわけです。僕も一応入ってるんですけど。 メーカーや僕みたいな小売店の立場が、こうピラミッド型になってるね。どこの業界もそうですね。日本種苗協会の何十周年記念っていうのを帝国ホテルでこの間やってらしたんだけど、見に行こうかなとは思ったんだけど、参加費があまりにも高かったから行かなかった。その記念冊子作って配るわけ。そこに書いてあることがね。農業に労働力不足がないと。だから海外から入れる方向にどんどん国にプッシュしてやっていかない。みたいなことがかいてあるわけ。
それってグローバリストの考え方。 でも今、グローバリズム優先はもう終わった。 そういった意味で、(従来型は)なくなるんじゃないってこと。

 

種の世界から始めている

 

榊原 種の問題に関しても、あるところまでで従来型の考えっていうのは消えていくということですか?

中村 もう自分ファーストっていう考え方で、企業が一番力を持って支配するみたいなのは、もうそろそろ終わってきてる。僕らが終わらせなきゃいけないねって。だから、一人一人自立が必要。気づいた人からこれやべえんじゃないの?って人から、自分たちの経済圏を作っていこうっていうことだよ。作っていいんだよ。作ったらいいんだよ。そう、作っていかないと。だってみんな言うこと聞いてたらつらいままだから。ほっといていい。

榊原 自前で違和感のない方へいくしかない?

中村 みんながそれだったらいいねってことをみんなで考えてやっていけばいい。人生変わるよ。今、採種への取り組みをやり始めて、やっぱり今までの種屋さんの考え方とかやり方とか、一回抜きにして自分が一番気持ち良かったり、かっこよかったりする方がいいと思う。
基本的にどんな産業であっても、一次産業を食い潰してるんですよ。 一次産業を買いたたいて。そうじゃなくて、一番大事な食べ物の、畑の現場から適正価格を引き出そうよっていうことを、種の世界から始めている。

 

 

榊原 国が日本の小規模農家に大事にしない。 お金をちゃんと保障しないことについてはどう思います?

中村 お金に目がくらむから、経済とか発展とか成長ばかり見てて。農業は衰退していってるから、外需に行く。本質的にお金の亡者になってるってことなんだろうけど。どうせこれから成長もしない農業に渡すぐらいやったら、もっと手っ取り早く成長できる分野に投資した方が。

榊原 そしたら、より支配する側が、衰退した貧しい側が支配しやすい?

中村 しやすい。農業潰す方向にしか動いてないから。ヨーロッパだったら一応本気か嘘かは別として、やっぱりかなり手厚くするわけですよね。農家に対する。でも今ヨーロッパで起きてることは、補償金がないと生活が元々できないベースになってる。
そこの方策の開け閉めで苦しんでる。結局その政府がさ、日本の場合官僚が・・・もっと上の支配者層に命令されちゃって。

榊原 その辺のからくりじゃないですけど、社会の構造とかはもう昔から意識があったんですよ。種屋さんになってからとかではなくて。

中村 いや、もう全ての産業はその傘下にある。お金の発行権も含めて。だから、その連中のことお聞きしてたら、どんどん奴隷化される一方。

榊原 社会の構造に対して、いろんな小さい種屋さんがいますよね。食べれるだけでもありがたいという信念、考え方を持ってる方とか。中村さんは、コミュニティー重視みたいなところが活動から感じられる。種屋さんとしてののスタイル、スタンスが素晴らしいと思ってます。在来種の種少ないじゃないですか。 そこでやっぱ自分のやり方みたいなのが、いろんな種屋さんのあり方を変えていかなきゃいけないのはあるんですか?

中村 変えていくんじゃなくて。別にポイント作れば。
ある人が言っとんだけど、組織ですよね。 会社が駄目になったら、その駄目な会社を立て直そうっていうよりも、潰して新しく作った方が金も労力もかからないし、手っ取り早くて。その方がいいよっていう話を聞いたんだよね。だからまあ、今ある種屋さんの大きな流れじゃなくて、小さな流れの中で一回とっぱらって、もう素直に自分が種屋さんとしてこうあったらええんちゃうかみたいなのをちょっとずつ上に。 だから、旗立てないと新しく別に。

種屋の組合って必要なんですよ。 ちゃんと種を維持採種してくには。 その本質的なことをちゃんとみんな分かってる組合が必要ってこと。一社じゃ無理なんだ。何百品種の採種はできない。多種多様だから。まわし合わなきゃ無理だから。 ってことは、最初からチームじゃねえといけない。独立してるけど、独立してる同士の-。バトルする場合でもないんじゃない? 最初からチームでやる。だったら、みんなが求める品質っていうものをちゃんと維持していける。一番大事なのは畑だし、その地域、農村だし、里だし、そこに住んでる人たちじゃん。
その住んでる人たちを全然さ、上の方の人は大切にしてないよ。 外からの圧力しかない。 その考えは海賊だよ。 その考えは泥棒。うん。 そんな連中をその組織の中で、いやこうでしょうと言ってやったところで疲れるから、別に仲間作った方が早いな。

榊原 農家さんて今やっぱり独立してピン芸人じゃないですけど、ピンでやるっていうのを一通り経由しますよね。やっぱりそれしか生き残る道がほとんどに地域にないんで。 小規模で家族経営で独立した農園として存在するのはもちろん大事やけど、それとは別に、大きな企業とか力っていうのは確実にかなり力を社会に発揮している。ある程度そこと対峙していく上で、組合っていう機能は昔から多様性の強みというか、それぞれ独立してるけど、ある程度住み分けで必要。 一人で食べてけるっていうのは必要だと思う。 やっぱ種もそうだし。 種でもやっぱそういう種屋さんで志があって、組むとこは組んでちゃんと一緒に協力して連携してっていう、そういう気持ちが増えてきてるんですか?増えては来てなくて。でも少ないけどいてくれるのはいてくれてる。

中村 これから発掘しようかっていうことです。アサヒ農園っていうね、種屋が愛知にあるんだけど、そこの社長が話を聞きたいって言ってきたわけよ。 僕からしたらメーカーだからさ。でもどうせだったら何か一つ形にしましょうよって。 今共同で採種を始めてんですよ。どうせなら農薬使わない方がいい。 だって農薬使ってない種を欲しがってるんだから。 で何が問題って。 種屋さんはみんな種を採種してくれる人がいなくて困ってる。僕もほとんどが仕入れなわけですよ。だから農業者への買取価格て全然知らなかった。ここ数年知って。もうね、日本じゃないぜ、価格が。うん、もうタイの方が(採種の価格)高いだろ、っていうぐらいな。うん。卵の値段が変わらないと同じように、なんでその価格で推移してるかわかんないけど、そんなんでやる人いないと思います。俺も嫌だし、若い方々が農業経営の中の一つの柱に計算できるぐらいの価格設定でやっていかないと、無理だよ。それって流通革命だよ。採種してくれる人っていないです。 値段だろそれって。 値段ですよね、きっと。 だったら上代上げるしかねぇじゃんって。 方法はそこしかなくない?農業への個別補償がないこの国で、そこの分配率を上げるしかない。

榊原 はっきり言ってその野菜の値段、食べ物の値段、全部安いって。もう倍でもおかしくないわけじゃないですか。 今、物価高で大体いろんなものが1.3から1.5倍ぐらいのイメージで。でももう種とか農業の農作物とか行ったら、多分2倍ぐらいのイメージにしていかなアカンのを、やっぱ消費者の人も食べはる人も飲食店の人もやっぱり厳しいし。 2倍にしていけない中で、どうやったら値段って適正になるの?

中村 それは上げたら買えない。だからこれはトライですよね。挑戦なんですよね。考え方をでも180度変えろって話なんですよ。だって、これ議員と話してたんですけどね。 たまたま認定農業者の勉強会があって、そこに呼ばれたわけですよ。 で、僕行ったら、農業者だけだと思ったら、議員がいたわけですよ。 自民党のね。だって農業を育てるための施策なんか一個もしてないじゃない。工業推進するために農業売ったのは間違いないですよね。 で、みんな周りは農業者。 正直間違いないですって言わせたかった。でもじゃあ、そういった環境がある中で、僕らさ、何ができる? って言ったらさ、周りから少しずつ自分の仲間、コミュニティを広げてく。やっぱりそこで、この値段で本当はやってこう、種採ろうと。1 リットルの種を取るときにどれほどの時間と労力がかかるか。
それを全くイメージしなかったり、想像しなかった方にわかるように。じゃあこれを 1袋買うのに、これくらいの値段です。この採種でできますかっていう話。一束小松菜がね、 100円で売ってるってのは、どう考えても無理だわ。それをみんな知らないから、なるべく畑に近づいてもらいたいし、一番大事な食べ物、今日の食べ物がだって明日の食べ物に。考え方でしょ。分かってるのに、なかなかというのは、もうみんな普段忙しくて、とてもそんなとこまでわかってって言ってもね、ボーナスが出るわけでもないし、みんなお金、そのシステムの中で、甘んじちゃってる。だから本当に民主主義になれば違うと思うんだよ。名ばかりの民主主義じゃなくてね。本当に民意にちゃんと民主主義やったらこんな世の中にはならないから。ただ、一部の強欲の人たちがみんなのお金を吸いとっただけでしょ。ほんと、農家さんを応援したいって言って、お母さんが野菜買うんですよ。でも、あんまりそれで農家さんの状況を改善するわけじゃないじゃないですか、今の値段って。

榊原 だから、やっぱ長いこと時間かけて作った価格っていうのを一回ひっくり返さないと。でも、ほんとこの何年かの異常気象で野菜の値段が一つも、あって当たり前が、あって当たり前じゃなかったんやっていう人も増えてきてるんで。 今本当にそれをちゃんと正しく正確にわかってもらう時期。

中村
 榊原さんが一番やってるあの提携ですよね。あの販売方式。何だっけ?CSA。で、その流れでどんどんどんどん広げてってさ。

 

 

 

流通革命ですよ

 

榊原 野菜の値段 230 でうち売ってるんですよ、小松菜税込。これは小規模の家族経営の小松菜なんですよ。
でも大規模で、ハウスで、ほんまにその外国人労働者に小松菜の袋詰めさせたり、行政自治体から助成金をもらって、給料を出させて、若い人に一日中袋詰めさせてる小松菜でも税込 170円ですよ。 で卸で1パック大体100円から 110円なんですよ。もうそこのせめぎ合いって、そもそも全部間違ってて。 まずその110、 100円、 110円卸で、170円で大規模にやって、やるっていう仕組みももう労働の搾取やし。 230円で売ったとしても、その100円で子供を育てて、高い塾代やなんやとか払って。 特に今、部活も外でやって、部活も外でお金払って、代行払わなきゃね。 そういうのはね、何百パックと売っても、小規模でも全部売り切れないと無理なんですよ。

だから、だんだんいろいろ見えてきて、これどう考えても別に場を作るしかないわと。 例えば、奈良で言うとファーマーズマーケットってのを月一回あるんですけども。 みんな基本日常宅配会社に行くでしょ? ほんで直売所行くでしょ、スーパー行くでしょ。 一ヶ月30日あるうちの29日それなんですよ。でも無機質やし、画一的やし、心籠もってないし、人間味もない。月に一回だけファーマーズマーケット来て、すごい人間らしい買い物ができるって。でももう 29対1なんですよ。もうどんどん農業現場も。農業人生も最初はまだ子供とかいなかったり、一人でやってたり、夫婦でやってる時は我慢できる。でも子供できてて、1日だけしか投票してもらえへんから、やってられないんですよ。出てくる若手とか、農業にかけれるパワーも人生もどんどん少なくなってて。営業、接客、六次化しないとあかんから。これどうなんねんやろみたいな。で、みんな口揃えて言うんですよ。種採りできる時間が欲しい。本当はしたいんですよね、やっぱね、1種類、2種類ぐらい。

中村 困ったもんです。けんちゃんファミリー農園と話してたんですけど。やっぱり、いいんですよ。あのシェアシードとか、シードバンクの広がるのは全然応援してます。自家採種も全然応援してます、当然。だけどやっぱり現場では、あの、先祖返りしたりとか、交雑もしたりだとか、あの時のあの味、柔らかさ、食感っていうのが急にできなくなってくるんですよ、やっぱり。硬いナッパそれが俺んとこの野菜だって、ファンはみんな納得してるとは思うけども。でも最初の頃のやわらかく美味いなって感じた野菜からしたら、変わるじゃないですか。だからそれは品質が変わってきてる。

榊原 でもそれ中村さんは、その種屋さんとして、その3年5年自家採種して、やっぱり元に戻したいですか?

中村 いろんな人いてる中で、この野菜のこの品種はこんな味形だったって、そんな基準は持ってない。だってその当時知らないもん。移り変わっていいもんなの。 移り変わっていいものだから。 でもある程度は、例えば、田楽作りましょう。あの時のあの味、あの季節のこの味付けのこのナスっていうのをさ。 やっぱり覚えてないと大変よ。で、それが変化してたらつまんないじゃん。単純に食べるって行為も。 だからそれには品種の維持っていうのが必要なんだよ。それは種屋さんの仕事なのかなって。それでいいよみたいな。 このままでいい。 それが種だよみたいな。 いや、この形質でいてくれ、それはエゴかもしれない。 だって、変化、変化するのは自然の流れ。だけど、そのままにしてたらやっぱり野生化しちゃうし。僕ら食べなきゃ死んじゃう生き物だから。なんでもいいわけじゃないじゃん。 美味しく食べたいし、美味しく料理したいし。 で、それも含めて食文化だから。 そうなると品種の維持ってやっぱ必要だなって、やってかなあかん。
それってめっちゃ大変じゃんて。 そこがあんまりお金を産む世界じゃないから。ですよね。例えば、僕が種持っててさ、これを種採りしてくれっていうことになる。 それを原種っていうんですよ。 この原種のもとのを原原種っていうんですけど、この原原種の維持を本当にしっかりしないと、この原種が出せないじゃないですか。 ですよね。 だからこの原原種の維持がそんなにお金になんないって分かりますよね。 だから販売するグループ化もしてかないといけないし。グループ化するってことは、この農家さんに採種してもらう。それをちゃんと出してくれた時にしっかり分母として、自分たちがちゃんと吸収して伝えていったり、売ったり、販売も含めて安定させていこうということです。 そうですね、種の販売ルートも含めて。で、結局結構たくさんできるわけですよ種が。それこそあの反当たりいくらっていう買い方じゃない、野菜って一般的な流通だと。 種もその流れの中にある。 昔は全量買いでみたいな感じだったわけ。でもなかなか畑も大変だから、最低が1aぐらいになったわけですよ。 ね。1a全量買い上げるって。買い上げの固定とかそういう話です。 買い上げたとしても、買い上げた種苗会社が全然売れないわけよ。結局半分以上捨てちゃうっていう、そういう状況。じゃあそもそもその単位の取引やめません?とかさ。だから今トライしてるのはあくまでも、全く新しいトライじゃん。流通革命ですよ。だからダメだったらまた修正しながらさ。採種の農業者と、種屋と、それを販売してくれてる通販とか、みんな同じテーブルに集まって、で、どうすんねんお金の分配みたいなことをやってるんですよ。

榊原 やってますね。

中村 うん。だから僕の方でね、例えば、このナスが小売で 200袋売れました。卸で100袋売りました。で、小売りの方は500円で売れたから、200掛ける500だったとかで。卸の方は100掛ける500だったり総売上出るじゃないですか。その総売り上げの分配をどうするかっていう会議をしてですね、引き出す。

榊原 すごいですね。

中村 それやり始めた。でもみんなじゃあいくらぐらいだったらいける、農業者に聞いてもわからん。俺もよくわからん。実際。

榊原 でもやっぱ一番把握してますよね。全貌を分かってますよね。

中村 多分ね。で、今までパッと仕入れてきてさ。そこからこうかけてさ。それでも毎年胃が辛くなるぐらいのギリギリでずっと24年ぐらいですよ。いやこのスタイル、みんなで会議して決めるのはコロナからだよ。

榊原 でもほんままさに共同で、もう一からやってるってことですね。もう今までの一回取っ払って、まさに流通としてどれが一番人間味があって、それぞれがちゃんと飯食えて、それをもう最初から。

中村 じゃないと意味ないってことだから。

榊原 もう組合とか寄り合いの原初ですよ。

中村 そこから作り直さないと。畑の現場から適正、全ての適正価格を積み上げない限り、まだお金がみんな必要だっていうならね。

榊原 あ、そっか、そこもあるんですね。

中村 その先にはあると思うよ。

榊原 それから離れる世界もあるけど。

中村 あるけど、その移行期間は絶対あるから。

榊原 あのさっきちらっとお話してた、僕それを自分の中で一個基準として持ってるんですけど。種が残ってもそれを蒔く作り手がいなくなったら意味ないですよね。ずっと思ってるんです。例えば種をめぐる大きな活動、関わらせてもらって、すごい僕も刺激もらえますし、ほんま出会えて良かったなと心から思うんやけど。そこのところが結構気になってて。種にすごいフォーカスしてる分、僕の中では結構生産者が存在できなくなる世界、っていうことが結構ありありリアルに毎日迫ってきてて。 要するに仕事として種農家であってもなくても、アドバンテージがなければ飯を食っていけない状態。 もしそれが本当にこのまま続いていったらと。みんな種を大事っていうのが、すごい何て言うんですかね、直感でわかるっていうのはすごいなと思う。 でも生産者が飯食えなくなって辞めていって、離婚して、あるいは自分の命がなくなって、あるいは頭おかしくなって、もう農地を大家さんから返せとか言われるとか、それで仕方がないから違う仕事してとかっていうのは割と自分の身にまわりではリアルなんです。そうなると種も人もどっちも絶対残らない。肌感覚ではすごいもう農家のいなくなってる速度の早い感じがします。

中村 やっぱどんだけ売れるか。八百屋としたらそう思うよね。仕入れるとこなくなっちゃうじゃない。
そうなんですよ。僕も同じこと思ってたんですよ。あれ、これ、仕入れるとこなくなっちゃうじゃん。自分で生産、流通システム
をどんどんやっていかないと生活できなくなっちゃうじゃんっていうのが発端だよやっぱり。
いろいろわかってきて、これは本格的にやっていかんと。だから、そこまで考えなくてもいなくなるっていうのはもう割とリアル
やから。 何もしなかったら、いなくなるから。 そういうので、もう人間不信になったら、すごい泥沼とかになるよ。

榊原 ベースは何年もずっと自分も含めて底辺なんですよ。一応最低限の水はもらってるけど。いつ糸が切れてもおかしくないぐらいずっと推移してて。こんなに地域で生産者が、地元の心ある人に食べてもらうのは難しいんかって、ほんまに痛感してて。でもお客さんは目新しいサービスが好き。 農家さんの畑で育ててるリズムと、お客さんの目移りが、もう次元が違いすぎて。 八百屋としてはバランス取ったり、調和を求めるのが仕事だから。 でも離れすぎたらどうしようもない。 農家さんの経営として苦しいのは当たり前。 答えないですよ。 本当に食糧不足みたいなのが起こってほしくないから。

中村 そうですよ。 だって本当困っちゃう。 いや、僕らはそんな困んないんだよ。 まあ普段から近いから。 でもさ、縁のない人にあげるわけにもいかないしね。そうだね。縁でしかないじゃん。縁がないような、本当に都会に住んでる人って、超やばくなる可能性だってあるわけですよ。 明日。いつもあるわけじゃない。ほんまは明日、来月、来週。うん、あるわけないよ。そう言われないとわかんないのかも。

榊原 だけど、やっぱり目の前で本当に困らないと本当に大事なことを見ようとしないから。それを望んでいるわけじゃないですよ。当たり前やと思っちゃうんですよ。その農家さんがいてて、当たり前やと思ってるのを全然当たり前じゃないよってどうやったら伝わるんだろう。

中村 ある意味いい諦めも大事よ。あんまり。僕らがほとんどの場合たまたまそう思っちゃうタイプであって、自分で考えてるだけであって。 生涯の年収、お勉強して、遊びたい時間を勝ち取るみたいなさ、ことを信じてる社会やから。そこに対して それって幸せって違くない? なんて思ってる人の方が少ないわけよ。 こっちが特殊で、そういった意味じゃね。 そうですよね。だけど、僕らはそれがどうしてもできないもんだから、自分のやりたいことでっていうか、自分が納得できることでなんとか生活をまわそうと思うんだけど、大概がそっちなので。それは基本的に大変に決まってるわけやから。それはこだわりの農業者に対してももちろんそうだしさ。そういう中にあって、コロナになりました。で、日常なくなったっていう世界になった時に、何が大事なんだ? って思った人たちが一定数いて、それで金じゃないとか、少しでも家庭参画しなきゃっていう需要が生まれたわけですよ。

榊原 そうですね。うん。だから、先にやっとくしかない。もちろん大変なのは当たり前と思って。

中村 なんか残るしさ。

 

 

 

そこから全部組み立てて考えたら
間違いないと思います。

 

榊原 その採種農家に若手が入ることってできるんですか?

中村 全然できる。
それは地道に自分で何種類か何回か採って、自分なりにその風土に対してしっかり採り方もそうやし、安全のさせ方もそうやし、ある程度のところまで行けば、そういう風土が繋がったら出せる。小遣い稼ぎじゃないですけど、経営の一部になる。

榊原 多分若手の中ではそんなこと考えもしてないけど、そんなのできたらめっちゃ嬉しいっていうモチベーションにもなるし。

中村 って思ってる人は別にそこまで雲の上の発想じゃなくて。全然ありやと。やっていて、やっぱそれは一経営の一個として持てるようになってほしいと。 それは僕の方も頑張らなきゃいけないですよ。僕も販売のルートのキャパを広げていかないといけないからさ。

榊原 あと、苗のそのニーズというか、求めてる方の熱量みたいな感じます?
その年々必要とされてる感じはありますか?

中村 うーん。 まあ、今うちの生産体制がそんな広げれないもんだから、どっかでそんなたくさん来ても困るっていうのがちょうどいいぐらい。今のシステムだとこれ以上増やせない。生産量が。 でも全然増えるのは増える。 だってこれ単純にあの青梅ファームさんから聞いた話しなんだけど。 飲食店に卸したりするじゃないですか。 青山とか東京の。飲食店の数って、あの入れ替わりながらやっぱ一定なんだよな。お客さんの数一定なんだよね。店が変わったとしても。でも一般消費者って無限じゃん。だから、一般消費者に結構力入れてた。

やっぱりね家庭の食卓が基本なのは。どんな人も。もうそこがまず豊かに家庭の食卓を大事にする。そこから全部組み立てて考えたら間違いないと思います。どんなビジネスプランであったとしても、自分の行動の指針的なものをやっぱ家族のことですね。ちゃんと子供を育てるっていうか、やっぱり家族の食卓だよね。

榊原 家族の原点ですから。

中村 そこが原点で、僕はたまたまそれを在来種の美味しさを知っちゃったもんで、僕が食べるんだったら、僕のあの家族と一緒に食べるんだったらこっちの野菜の方がいいよな、あくまでもそこが原点です。

榊原 味から入ってるのはすごいですね。 食べてみてなんですね。

中村 あ、違う?こんなに多様なんやっていうところから、要するにもうほんま五感で入っていってるわけじゃないですかね。ほんまやったらそう。

榊原 いろんな状況からして大事やなっていうのじゃなくて、一回試してみようみたいなところから食べてみて種の世界に入ってはるんですね。

中村 種屋さんも八百屋さんも元を辿れば、やっぱりその作る人が原点じゃないですか。でもその農家さんも台所も八百屋も、まあ僕もそうですけど、もうちょっと現実、現代社会の構造でやられちゃってたり、切実で諦めてたりっていうのはやっぱあると思うんですよね。

榊原 今から例えば苗屋さんになりたいと思っても、それをほんまに生業にするっていうのは、やっぱり農家さんも同じように二世代、三世代っていう、やっぱり階段は絶対あると思うし。でもやっぱり今ってすごい、そういう意味でどの立ち位置の人も、今までの変なもの取っ払って、心あるテーブルでみんなでもう一回ちゃんと素直にそれぞれが生きていけるように、仕事できるようになってきた気がしたんですけど。それぞれ孤立して、もうしょうがない、もう諦めたい。 僕あると思うんですよ。 農家さん自身も他の農家さんと共同するイメージ持てなかったり、競争社会だし、競争相手になってくる。 僕ら騙されてきたんだと思うよ。 そうですね。

中村 そういう思想に。

榊原 思い込みですか。

中村 うん。

榊原 今それでやっぱりその打ちひしがれてたり。僕もそうですけど、ちょっと泣き入ってきてますね。思い込みが過ぎるんです。

中村 分断。分断政策ですよ。支配者側からしてみたら連携されたくない。

榊原 そこでもう連携しようとして、そんな簡単に連携させへんようにしてるのに、頑張って。で、三回目、四回目、五回目分断して、やっと泣きはいってきたよ、よしよしみたいな感じで。そこを乗り越えてでもやっぱ信じて、連動して連携するっていうのがやっぱ大事。ですよね。

中村 だからそれが答えだと思うで。日本の大根で体ができてる。食べ物でできてる。そこはもう絶対、絶対じゃないけど間違いない。要するに一人で生きれないわけで。他の命で生きてる。

榊原 繋がりで生きている。僕はただ種を仕入れさせてもらって、売ったマージンで、言うたら子供がちょっとプール行きたいって言ったらプール代出してるわけじゃないですか。 でもやっぱその繋がりが信じれなくさせてる社会の制度があるんですよね。

中村 空気感がね。そんなのは幻想だ。

榊原 思い込みで幻想。錯覚ですから、やっぱ自分らで食べ物とか作る人を繋いでいけるんだっていう。惑わされてると思わなあかんですね。

中村 分断、分断、分断。競争、競争、競争。小学校から。
評価するのが勉強と体育ぐらいでさ、人生の中のごく一部もいいところだろうが、あそこで優劣つけてさ、コンプレックスになっちゃうし、なったしさ。で、こういうのがいいだぞってなんかモデルがあってさ。それにいけない人が落ちこぼれって呼ばれたりしてさ。いや、だけどさ、そもそもそれ必要?みたいな。いや、そんな必要ないよねってみんな言うじゃん。だけど、お金お金になってるもんな。どうしてもそこに付き合わ
ざるを得ない。僕も。そうじゃないわけだから。じゃあもうそれみんなでやっていこうよっていう話よね。

特に震災以降は人の意識も変わってきてるし。震災の頃は民主党だったよね。 直ちに被害はありませんって一生懸命言ってたわけじゃんね。でも、こうやって映像見ててさ、きのこ雲出たのも見てるからさ。ダメじゃんって。メルトダウンだから。うん、完全行ったじゃん今って。映ったじゃん。あれから全然映してくれないんだけど、映ったじゃんみたいな。うん。全然ダメだよって。でもあれからいろいろ勉強したし。そこら辺からまあなんやかとか、ほんまの真実をやっぱり見極める人たちも出てきた。
だから、そのぐらいかけ離れちゃってるわけだ。グローバリズムって中でずっと経済成長してきた。そんなのずっとやってたらつらいじゃん、こっちは。大多数がそんな世界を望んでない。別に今日家族と楽しくご飯食べれればいいじゃん。

榊原 年に2回ぐらい旅に行けたりとか。それも近くでいいんですよ。

中村 別に海外だっていいよ。年に一回ぐらい海外ぐらいでさ。別にみんなランボルギーニとかポルシェが乗りたいわけでもなく、特に若い人なんて別にそんな。いやもっと違うでしょっていう感覚がある中で、そんなに極一部の強欲な人たちが特権行使してるんだったら。もうね99%対1%の戦いなのは間違いないなっていうのが見えてきたから、僕ら自立、自律していかないとね。という話しです。

 

 


【 マーケットの向こう側 】vol.7 フードシェッド井戸端会議

 

“ NARAFOODSHEDと五ふしの草の共同制作で連載 ”

 

食べることを深く知り、考えるため
作り手や届け手、食べ手の思いを訊く

街のファーマーズマーケットに関わる人々を
“水を運ぶ者(裏方スタッフ)”がガイド的に寄稿するルポルタージュ
「マーケットの向こう側」

小さな農を土台とした地域循環の中で、
マーケット内外の農家さんや八百屋さん、料理人や裏方、お客さんたちの
人生にフォーカスし、作り手、繋ぎ手、食べ手の奥行きに触れる媒体です。

お互いの垣根を越えるきっかけになれば嬉しいです。

/ 文・編集 : 船尾佳代  榊原一憲

/ 写真 : 中部里保

 


 

 

今回は趣向を変えて、座談会形式です。
ある日、ある時の『 フードシェッド井戸端会議 』

ちょっと古い録音になるので、今と違うところも出てきていますが、
いつもの話し合いと本質的には同じなのと、大切なことも含まれているかもしれないと思うので共有させていただきます。

本質的というのは、政治や経済とか企業の効率とか利便性という「大きな物語」に
私たちの暮らしが否応なく取り込まれていく中で、
自分たちやコミュニティにできる「大きな物語」への対峙の仕方。
多様性を守るために、なんとか取り込まれないように、
土と共に生きる大切さ=「小さな物語」をどう知恵を出して、工夫して、人に伝えたり、街に繋げていけるか?というタスクのことです。
この日のテーマは、ファーマーズマーケットの世話人で奈良の底辺、五ふしの草・榊原の話をシェアし、フォードシェッドの方向性を確認することです。
参加者聞き手は、
Jack farmの後藤さん、Yanagimoto standの安川さん、裏方の船尾さん、somiの小國さんが集まりました。
何故八百屋の目と鼻の先に、
売り上げや集客という意味で、もろに首が締まっていくのが目に見えている
ファーマーズマーケットを生み出したのか?
何を信じて、それをわざわざ持続させているのか、、という「?」にもふれます。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・


船尾   
今日は奈良フードシェッドファーマーズマーケットの世話人をしている五ふしの草の榊原さんに、マーケットについてお話を伺いたいと思いこの場を設けさせていただきました。榊原さん、五ふしの草を始められるまでの経緯など簡単に自己紹介をお願いします。

榊原   もともと大阪と東京で技術スタッフとして主にドラマ制作に関わってました。その時にそばで嫁さんが老舗の有機八百屋グルッペで勤めてた影響で、自然農の川口さんに師事するために奈良に移住。研修と自分でも畑をした後にオーガニック業界を変えなあかんな、って思ってあえて八百屋を始めました。4人の父。3人目は自宅出産です。

安川   奈良への移住はいつなんですか。

榊原   22、3年前か、、この店が17年目です。

後藤   映像からなんで農に?


榊原 
 映像は楽しかったけど過酷。でもこのままこの業界でいい仕事やっていけるなって感じではあったんですけど。畑や八百屋にいってるうちの奥さんが過酷と反対。やたら楽しそうで。で、八百屋さんや農家さんの話を聞かせてもらったり、玄米弁当食べさせてもらったりして、体質も思考も変わっていきました。それに農の世界の人たちって、みんなかっこいいんですよね。環境問題のこととか政治、原発、労働と雇用のこととか、しっかり深く見て喋れるし。農業も少しは前から興味あったけど。そのことより世界的な戦争とかいろんな格差、貧困とかのことも考えてはるし。でも川口さんの本に出会ったのが一番大きい。哲学ですね。「自ずから然らしむ」。内容は真理ばっかりです。自然の摂理、人と自然の関係を学びたいなと。

小國 
有機農業変えたいって思ったのは、有機農業界をそのときどんなふうに見てですか?どう変えたいと思わはったんですか?

榊原 
畑借りるために、すごいと言われている人とか 慣行、有機、自然農で新聞に載ってるおっちゃん見つけたりして畑に行きました。自然農の人らのとこに行くと、これってご飯どうやって食べてるんやろうみたいな状態が多い。当時は食べ物の世界で何が起きてんの?って思って。農業のこと知れば知るほどいろいろあかんやんって思って。自給率も低いし、農業を生業にしていく人も少ないし。でも畑したいってなって畑借りようと思っても畑すら借りられへんかったり、借りるのも一苦労やし、借りれてもいろいろ障害があるんで。そういういろんなものを
1個ずつ見ちゃった。知っちゃった。

小國 
やっぱり有機で農業やってると作物って生活していくのに十分がとれないんですか?

榊原 
できてるところにも行ったりはしましたけど。そこは世襲、地主であったり、既得権をもってたり。
一通り一個ずついろんなサイズを見ました。八百屋とか流通も京都とか東京とか何件も見に行きましたし、社長さんとか農家さん、いろんな人に話を聞いたりもして、だんだん全体像が見えてきたんですよね。この業種で1次産業で環境保全型でやってる人たち、生きてる人たちの全体像が。それで、どないなってんねん。こんなん(持続不可能で)あかんやんみたいになって、何かできるんちゃうかって思って何故か流通業を始めました。でも間違ってましたね。結果的に。

 

自分のことを後回しにする人が少なすぎる

 

後藤 でも農業者にならず八百屋を選んだのはなぜですか?


榊原 
簡単に言うともともと個人的なことにはあまり興味がなくて。自分がしたいことをやるっていうのもあんま好きじゃないんですよ。ひねくれてる。自分の一つの畑で自分の理想を実現するんじゃなくて、そういう人がいっぱい増えたり、そういう人がちゃんとやっていけるような状態を作る。その後に自分がやりたいことをやらないとっていう思いがある。(みんなの幸せがなければ自分の幸せもない)ガンジーの哲学じゃないけど。みんなの幸せと自分の幸せ、どっちも大事です。自分の見た限りでは、自分の幸せとか自分がやりたいことばっかりを追求する人が多かったから。自分のことを後回しにする人が少なすぎると。世界は人がやりたくなるようなことと人がやりたくないことでできている。だからそういう利他的な人もいないといけないなって。でもそれは間違ってたと思う。

船尾 
でもそれが榊原さんがやりたいことだったんではないんですか?

榊原 
後から見たそうかもしれない。苦労したり辛抱するとか、苦しむとかとか好きなんか。農家と一緒に悶えるのも
(笑)

小國 
ちょっとわかる気がします(笑)

榊原 
楽しいことも大事ですよ。でも逆も大事。

後藤 
最近の一番苦しかったのはなんですか?

榊原 
パタゴニアとのプロジェクトですね。大変でした。(土台づくりの)手数がかなり多くて。みんなが(スタッフや農家が)合流してくれたのは結構、最終局面だったから。足かけ
10年以上の仕事だったから。八百屋スタッフ間でも1年ぐらいずっと何も動かへん時期もあって、一応、動き出すかも動き出すかもで。でも最終すごいよかったですよね。約1年間10本近くの企画、(マーケット、トーク、畑ツアーが)協働でできた。イベント自体やってるときはすごい良かった。

船尾 
世の中に足りてないものとか、世の中に何かおかしいなと思ってることを変えなければっていう使命感みたいな感じなんですか?

榊原 
若いときはそうやったですね。

船尾 
農業系のことに入りはったきっかけは使命感?

榊原 
そうですね。正義感かもですね。
そうじゃなかったらあかんのちゃうか、心ある農家が売る場所がなかったら後の人が困るんちゃうかとか。だから自給率の問題とか、その作り手がいなくなるとか、最近ほんまにリアルです。こんなに野菜作る人っていなくなるんやなって実感してしてる。今まではそういうのわかってても「ほんまなん?」みないみたいな感じでしたけど、最近はほんまにその危機が身近に来てるなって思います。今は別にどっちでもいいって言ったら言い方悪いですけど、なるようになるとは思ってるんです。

 

 

船尾 奈良フードシェッドファーマーズマーケットで言うとどうなりますか?


榊原 
マーケットに昔出てくれていた米澤農園さんとか中堅の農家さんがマーケットに来れなくなってる。また出てほしいと思ってるけど、今呼び戻されへんかったら戻ってこれないんじゃないかな。八百屋も農家も孤立はよくない。地域のお客さんの取り合いにもなりたくない。(マーケット以外で)中堅農家さんはしっかりある程度の形で出荷して売り上げへんかったら困るし、僕も中堅農家が欠けたらやる気でない。この店が経営的に無理になってしまったら中堅農家さんも、共産党系補助金系の直売所、ビジネス重視の自然派系流通に依存するしかないし、CSAとかマーケットとかも(農が中心やから)(その依存の構造が長く続いてきて)そろそろ最終局面になってきています。今後どういう風になっていくのか、、、今の形って奇跡なんです。裏方も「人のことやろう」ってがんばってくれる人が集まってくれてて、自分の役割も奇跡で当たり前じゃなくて、そもそも裏方が地域にいてくれてるのも当たり前じゃなくて。今日だって時間割いてみなさん集まってくださってるのも当たり前じゃない。この八百屋自体も当たり前じゃなくて、マーケットも当たり前じゃない状態で。全部当たり前じゃない状態で来てて。何かよくわからない特別な力に導かれながら、マーケットの向こう側っていう取材企画とかCSACommunity Supported Agriculture/地域支援型農業)とかもできてて。すごいことで、どれか一つでも欠けたら崩れるんです。

小國 
そもそも奈良フードシェッドのファーマーズマーケットとファームスタンドとしての五ふしの草。それとファームシェアとしての
CSAは互いに関係しあってる三本柱っていうことですよね。その三本柱を始めはった思いを教えてください。

榊原 
偶然です。まずファームスタンド(=八百屋)が最初で。やっぱり拠点がないといけないから五ふしの草という八百屋を作りました。その一年後にマーケット始めた。例えばマーケットやってて、ここでみんな
1日売ってるけど、1か月のうちのあとの29日、30日はヒトモノコトの動き、繋がりの中でないよねってなったから、農家さんの野菜をセットにして、地域が農業を支えるCSAを始めました。

船尾 
マーケットを始めるきっかけは?

榊原 
最初はマーケットしようと思ってなかったんです。近所の商店街のおばちゃんが来て、奈良県の補助事業の直売所をやる人応援するっていうのを教えてくれて。最初、意味わからなかったんですけど、当時は直売所が県外にいっぱい出てきて、ブームですよね、奈良も
って感じやったんでしょうね。それで直売所じゃないけど僕はファーマーズマーケットをやりたいって申請しました。たまたまその担当者の人が面白いからやってみようかってなってくれて、それが始まりです。最初は奈良オーガニックマーケットっていう名前でしたけど。今は奈良市の後援をいただいています。マーケット始めて一年後に3.11で。農家さんから野菜集めて、マーケットで募金していただいたお金で東北に支援に行きました。ファーズマーケットっていうただの売り場ではなくて、なにかあったときに団結して動けるコミュニティの大切さと無限の威力を実感しましたね。

船尾 
確かに。当時はマーケットにはそういう面があるっていうのは意外でしたけど、今は然るべき役割やと思います。

榊原 
それからいろいろありました。全部いい勉強させてもらってますけどね。お客さんにただ買い物だけして帰るっていうような場所にしたくないとか、農家さんにもただ売って帰る場所にしたくない。農家さん同士協力してもらえるようにしたいなとか思ってきました。普通はこんな面倒くさいことはしないんでしょうけど。自分は本当にそうせなあかんなと思ってやってきました。ひとつの農家さんに人気が集中するのとかもいいと思っていなくて。異様に一件の農家さんに集中することがあるんです。クオリティの高さとか精度の高さとか明らかに違うとやっぱり異様に集中しちゃうんですよね。業者さんとか飲食店さんも「その人だけのものを」買いに来たり。一本釣り好きな人多いから。でも僕は全体見なあかん立場で、ブームや光り輝く人気の陰、裏でどんどん消耗してる農家さんが出てきてしまって、、消耗と人気という相反する状態がマーケットってできるんです。社会と同じ。それも慣れて平気でいられるように僕らはなる。農家さんでもこんなにも差がでるんやってマーケットやってわかりましたね。どうしたらいいのか自分でも答え出ないですけど。格差って絶対に人の営みで出てくるものですけど、その格差を見て「そんなん知らん、弱肉強食や自然淘汰や」でいくのか、「みんながどうやったら幸せになるんかなって考える」のかは全然違いますよね。こんなことやってると、「榊原さんはみんなのことやってるけど、誰もそんな求めてません。自分の店だけをもっとしっかりやったらどうですか?」とか言われますけどね。まあその通りなんですけど(笑)

小國 
ほっとけないんですよね。

榊原 
一番大事なのはそんな差を吹き飛ばすぐらいの循環ができたり、みんなのしっかりした何か売れる形をつくることなんです。1農家のブレイクスルーなんてどうでもいい。でも奈良のオーガニックの世界が狭いんですよ。お客さんという分母が小さい。だからもうすごい露骨に(売り上げに)差が出ちゃうんでですよね。マーケットでは誰かのところは売り切れるけど誰かのところはめちゃくちゃ余るっていうのを目の当たりにする。そういうのが嫌で、それで
CSAを作ったっていうところもあります。マーケットでは横の繋がりを大事にして参加してもらいながら、マーケットの日以外の普段はみんなの野菜をうちが買い取って野菜をセットにして、というかたち。それぞれの農家さんのお客さんをひとつのテーブルに乗せてっていう状態。公共性というか。農家さんは農業一本で自分の身近な人だけに野菜を売って、というのでは歳もとるし持続的経営が厳しいから。今CSAはある程度の最低限のラインでドライブされてはいるんですけど、やっぱり地域の基本である中堅農家さんから仕入れている中で、さらに新しい農家さんが出てきたときにCSAにまだ今吸収できないんです。まだその力がなくて。一か月のうちのマーケット以外の日、29日、30日の買い物がみんな他所に分散しちゃってるんです。特定の誰かだけが儲かる自然派系宅配とかに。マーケット以外の日は普通のスーパーとかね。マーケット以外は農家さんのことは忘れて量販流通に依存しちゃう。コミュニティーは量販系が力を持つと支配されやすい。その蓄積では本当に次の世代が納得できるような、真っ当な地域の食糧システムを手繰り寄せられない。

小國 
みんな時間に追われる日常生活に戻っていく。マーケットは非日常を楽しむ場所として存在している、みたいな?

榊原 
そうですね。一過性だけ続いている。いつまでたっても自分たちがいいと思える、手応えのある経済圏とかお金の流れが日常に作れない。正直者も疲弊する。

小國 
榊原さんは上手くいってはる人とか人気のある人たちよりも、ちょっと取り残された人とか、何かそういう人たちのことがすごい気になるんですよね。

榊原 
そうですね、マーケットの最初のころの出店者さんの格差が強烈だったから。力を合わせないといけないのに潰し合う、売れる売れないの構造、この格差って何なんやろうって思ってました。うまくいってる人、才能があって能力があり飛び抜けたスターの人たちは、共産主義ほどでなく自分のことだけじゃなくて、みんなが対等にうまく循環できるように少しづつ力を発揮してくれたら一番いいんですけど。

小國 そうなってほしいですよね。


榊原 
でもそれは難しいでしょうね。みんなのことも考えてほしいけど、(ブレイクして)独り立ちしていってもらわないとというのもあるし。力って持つと惜しくなる。奈良フードシェッドファーマーズマーケットは割と本質思考やから(共存共栄的な)いろいろと面倒くさいこと言うじゃないですか。マルシェをしたいだけとは違うから、面倒くさいと思われて(ブレイクした人は)去っていく方もいてるし。僕らの目標とか目的というのは、やっぱり次の世代とか未来的なところなので。(閉ざれずにいつでも出入りできる)入口と出口の風通しはよくしときたいですね。

船尾 
マーケットには出てもらいたいけど、月1回ですしね。

榊原 
あ、でも前にわざわざ静岡から老舗の種屋さんが訪ねて来てくれたんですよ。めっちゃいいこと言ってくれて。大きい八百屋、野菜の流通、全部なくなる。ちっちゃい八百屋だけになる。って。でも自分もそれを思ってるんで。思ってるけどほかの人からこんなことはじめて言われた。農家も生産物がいないのに大きくやるのは無理でしょう。やっぱりある程度こじんまりしたミニマムなスタイルで農作物を扱って、近くの農家さんと協力しないと仕事として成立しない。歴史的にも世界的にもあって当たり前だったもの(農家の協力と小さな八百屋)が今後ないわけです。そう僕も思って粘って八百屋やってて、自分の頭がおかしいんちゃうかなってとこまで来たけど、今日種屋さんにそう言われたら、あ、やっぱりそうやんなって思えた。

安川 
何もなしに明日から好きなことしいいって言われたら何したいですか?ほんまにやりたいこと。

榊原 
うーん、大阪でもファーマーズマーケットしたいですね。それはやりたい。

小國 
マーケットを作ることが好きなんですか?

榊原 
いや、マーケット作るのは嫌いです(笑)

後藤 
その理由が聞きたい(笑)なのにマーケットしたいとか(笑)

榊原 八百屋やマーケットは目的にしたらあかんし、ただの手段。ちょっとズレるんですけど、
CSAのこと立ち上げるのってめっちゃ大変やったんですよ。何とか形にしましたけど気づいたときにはみんなも僕もボロボロで。でもすごいことしたっていう感覚はあって。それは奇跡やから大事に温めないといけなくて。それって自分の力を超えてることなんですよ。次にCSAやりたい人にうまく引き渡せるのか、幻になるのか。僕は基本的に手の届く範囲でちゃんとしたことをしたい。CSAに関してはもう自分の範疇を超えたものになってる。たとえこのCSAがうまくいかなくなっても後の人がしたいときの参考資料として残る。それはつまり礎です。大阪にファーマーズマーケットっていうのはあまり土的ないい礎がないから。やっぱり僕は礎あった方がいいなっていう。本当のマーケットが今の時点ではないんので。失敗でも何でもいいから1回やってみないとあかんなって。失敗しても次の人の一つの材料にはなるし。

 

 

 

気持ちが一つになって作れている

 

小國 その大阪のマーケットはどんなマーケットにしたいんですか?


榊原 
今、奈良フードシェッドファーマーズマーケットに出てくれている若手農家さん、卒業していった中堅ベテラン農家さんはじめ、大阪、京都、和歌山、関西の繋がりのある、そういう人らが年に間に
1回か2回顔合わせてお客さんと喋ったり、農家さん同士で久しぶりに話したり、お客さん同士で話したりできる場ですね。現実に地域で土に根ざして生きている人が出会える場面を作るのが八百屋の仕事って思ってます。それってでも大変なことやし、実はすごいことやから。無数にある繋がりとか縁を大事にしたい。昔そんなマーケットをやったんです。「森の集い」っていうイベントというか活動。その経験、参考資料は(意識の引き出しに)持ってるんで、次の精度は上がってくると思います。普段各地で農業してる人らが街に来て、そこでお客さん11人が何か食べてくれて、そういうものから発生する力を信じて。そこから農家さんの畑を見学しに行くことになったり、次のステップが生まれると思うので。その入口、窓口が必要やと思っています。

小國 
榊原さんとってマーケットっていうのは入口っていう位置づけなんですか?

榊原 
そうです。農とか土に根ざした生活の疑似体験としてマーケットがある。こないだのパタゴニアのマルシェでもそうなんですけど、窓口を作ってみたときに、自分でも思ってない風の吹き方とか、人の動き方があって、「やっぱり!」みたいな。「これ!」みたいなことがたくさんあった。これはもうちゃんともっと大きな流れにしたいって思いました。やっぱり小さすぎると弱い。季節によっていろんな違う人に出てもらったら都会の空気感も変わるし。東京に好きなルヴァンてパン屋さんがあるんですけど、東京とか街中で土臭いパン屋さんをやってはるんです。農に関心のある人たちはみんなが田舎暮らししたがるけど、それやったや現実の社会問題は解決しない、都会でも発信しないとって言ってはって。やっぱり田舎から都会に何かをもたらして、風を吹かせていかないといけない。

小國 
なるほど。

榊原 
映像の仕事してたときに、少ないけど何回かめちゃくちゃいいものができたりするんです。そういうのを体験したときに、すごいな、人の力は。って思ったんです。「気持ちが一つになって作れている!」っていうときがまれにある。だから
1人でやるっていうのはあんまり好きじゃない。みんなで作りたいっていうのはあります。そのときから僕の裏方道は始まってるんでしょうね。本物を見たい、本当のことを求める気持ちってずっとあって。辛い生き方をしてる人がいたとしてもそんな人が感動する、みたいな方向の世界に行きたい。やっぱり農家さんも大変やけど、どっかでスイッチ入ったり、回路を変えて、やり始めてどうやって維持して食っていくのかだけでなく、そっちにも力を貸してほしいみたいな、そういう分担、共有ってあちこちでなくなってるじゃないですか。やっぱりそういう願望があるんです。ちゃんとしたことができる可能性が人生にあるんやったらやる。でもどこかで本心は「なるようになればいいか。」と思ってるところもあります。

 

 

 

小國 マーケットは若い農家さんが挑戦する場所で、ファームシェア、CSAが中堅農家さんがマーケットを卒業した後に継続していくときの伴走というか、そういう役割にわかれてたんやなみたいな、そういうふうに考えてはってんなって初めて認識したんです。けど、それが今最終局面なんですか?


榊原 
乗り越えたいなと思ってて。うまい循環、調和が取れた形にならへんかなーと思いますけど。でもならないまま、調和が取れないまま進める限度ってあるなって最近思ってて。自分は時間かかるっていうのはわかってたし、とにかく“ 待つ ”っていうことでやってきたけど、(人生や物事の潮目には)待てる限度ってあるなって。マーケットに出てくれてる農家さんの生産物を全部、五ふしの草で取り扱いたいけど、五ふしの草に今は力がない。もうこれはいい加減にせなあかんなって思うし、そうじゃない考え方にならなあかん時期なのかなと思ったり。ファームシェアの中身が、いつか地域の近場の若い人と中堅とベテランが関われる形になって、それをマーケットに来てる人が食べてくれたらいいのになって思う。自分が八百屋としてそこのマージンを取らずに、生活できなくてもいいから、それがあってほしいなと思ってる。そこまで思ってるけど、それができへんねんやったら、どこかでやっぱり
1回全部作り変えなあかんという話ですね。 そういう意味でも冒頭で話したように、結果的には今までのやり方は間違ってた。

船尾 
マーケットも変化のタイミングなんですかね。

榊原 マーケットにしても
CSAにしても、自分としては「農業が地域にあって、お金っていうのを介在して、自分たちが知恵を出し合って循環する形を作る」っていうめちゃくちゃシンプルですっきりしてること。何もややこしさもない形やと思ってるんすけど。多分僕がややこしいんかな(笑)こっちがややこしいことを持ちかけてるだけなんかな(笑)まだうまく循環してないですね。

船尾 
CSAのこと周知できてないんじゃないんですかね?

榊原 
CSAのこと知ったとて、みなさん多分距離がありすぎるんじゃないですかね。すごい自分の中では当たり前のことで普通のことやねんけど、自分の持てる1万円、千円、お金という一票をどこに投票するのか。近場でがんばって、汗かいて、その次の世代のことも考えて、ずっとその土地を守ってくれて、安全に作ってくれる人。金儲けのために、地球のために大きくしない、地元の有機農家さんに投票したらいいやんって、僕それを当たり前と思ってるねんけど。それってめちゃくちゃ難しいことなんでしょうね。やっぱり安いものとか綺麗で手軽に買えるところ、大手の方へに流れちゃう。

船尾 
それはめっちゃ思います。自分がいただいたお金を次に誰に託すのか。どんなお金の流れを作るのかって。

榊原 
CSAじゃなくてもいいんですよ。みんなが協力した持続的な農業を支える形ができてほしい。でもないんですよ。みんなで頑張って積み重ねないとできません。例えばトマトで言ったら、平地で米澤農園のトマトがまず出てくる。次に高原で曽爾の畑のあかりのトマトが出てくる。そのあとに南山城村のハト畑のトマト。1件の農家さん1か月半でとしてこの3件で4ヶ月以上。なんて美しいバトンの受け渡しなんやろうと思う。でもそれって、僕がやってる年間の農作物の中でかなり稀有なんです。あるときはこのバトンリレーを何回かやったことあります。でもそれ以外のときにその生産力はこの地域にない。だから今は僕の裁量で心が通う範囲で、若手、中堅に、地元に力を入れてはいるけど、ベテラン、他府県にも助けてもらって形と地産地消を伸縮させるんです。ある時は濃密に近くの生産者のものが日頃食べれる。でも年間ずっとローカルを安定して街の人に届けられるかというと、全然できないんです。マーケットと地域の生産者は、食べ支えて、買い支えて、育てないと育たなくて。12ヶ月後のうちの半分も供給できる生産力がまだない。あとの半年は関西、近畿圏とか心が通う範囲に地産地消の距離を伸縮させてる。奈良近郊はもちろん地産地消、近畿でも地産地消、世界的にも国産も地産地消になるっていうこと。こんだけ異常気象があるとね。その伸縮は在来種とか自然農、農業全般の哲学がないとできないんです。今の時代、長続きできないけどネットでボタン押したら運んできてくれるし、直売所やったらきゅうり1パック100円で夏場売ってる。そんなところと対決しないといけないんですよ。うちはきゅうり1パック300円ですからね。

 

 

 

みんなで何かに辿り着くってことに憧れがあります



船尾 
基本は距離的に近い農家さん、心的に近い農家さんの野菜をセットにしてるってことですね。

榊原 
ただ自分はすごいまともやと思ってます。正しいとか正しくないとかじゃないですけど、ちゃんとしたことを普通にやるっていうのが、やっぱ難しい時代になかなか楽しいことやらしてもらってると。小さい国がありえない大国に挑むみたいな。前に種屋さんにも言われたけど。今は(その挑戦が)違うんやったら違う、で、それはそれでいい。見えてる精一杯のほうに行くだけ。何が変わるわけでもないかもしれないけど。こういう方法があって、こういう知恵もあって、みんなこれ楽しいしやれへん?いいよ?って言えたらと。ただみんないろいろあるじゃないですか。それは農家さんも同じやし、八百屋も同じやし、お客さんも同じやし。たまたまでもいいから何か些細なきっかけでうまく調和したらいいなとはずっと思ってる。もうマーケットだけが独立してマルシェって形で、単なるイベント、お楽しみでええやんってなったら話は早い。こうやって集まる必要もないし、農家さんがどういう思いで、どういう背景で農業してるかっていうのを裏方が取材したり発信したりする必要もない。ちゃんと伝える必要もない。マーケットの向こう側っていう企画は必要なくなっちゃう。でもほんまにそれでいいんか?って思うし。

船尾 
そんな奥行のないマーケットはいやですね。

後藤 
一個人商店としてされていることが計り知れないっていうか
多分他の地域だと大きい組織で動かしてるようなことを一個人で榊原さん個人が背負ってされてる。だから、多分奈良フードシェッドファーマーズマーケットに魅力を感じる。改めて思いました。

榊原 
一個人でやれることと、一隅を照らす、でもやっぱずっと憧れがあるんですよね。みんなで何かに辿り着くってことに憧れがあります。みんなで同じ釜の飯を食べ、一つのパンを分け合うようなそういう感じが好きで。最初に先輩の有機の八百屋さんたちに感じたその感覚が一番衝撃的でしたし、会社じゃなくて何でもいいんで。それに近い形として大阪で八百屋が集まって売るっていうレンバイやりました。レンバイもあんな流れになるなんてもともと全然思ってなかった。
ちゃんと仕事してたら、一番いいところに行くっていうのはやっぱある。だからマーケットもちゃんとした方に行くとは思ってるんです。例えば今僕が頭狂って、マーケット来月なしって言ったらそのインパクトってすごいじゃないですか。狭い世界ですし。それはいい教材になると思う。

安川 
変なフラグ立てんといてください(笑)

船尾 
マーケットはもがきながらも続けたいですよ。

後藤 
しみじみ正直、私はジャックファームとしてありがたい気持ち半分申し訳ない気持ち半分ありつつで。マーケットというものに今まで出てなくって、榊原さんからお声がけいただいて出るようになったんですけど、うちはその新規就農かつ旦那が外国人でお茶を栽培しているっていうところで、正直日本で国内ではもう絶対生きていけないんです。本当に海外向けに売らないと、うちは成り立たない。その中でやっぱりあのマーケットの場にいると、やっぱりインバウンドのお客様がおられて。正直、うちは小売りすると
7割以上が外国人です。国内ではもう需要がどんどん下がる一方で。本当にもうみなさんご家庭に急須を持ってらっしゃらないので。急須と使ってお茶を淹れる方法を知らない。まずお茶を飲まない。逆に外国で日本茶がめっちゃ売れてる。もし日本だけにお茶を売るとしたら日本の茶畑はなくなります。

榊原 
ほんまお茶は厳しいですよね。

後藤 
そうですね本当にもう新規就農しない方がいいと思っちゃう。食べていけない。

榊原 
もっと自然な形でこの土地で農業やってよかったなって思えるような売れ方をしてほしいと思うし、知ってる人同士のお客さんをシェアできてたらめちゃめちゃいいと思いません?それがないっていうのはいつもずっと問題なんです。結局そこに尽きるんです。それがあれば、スーパーとか直売所、お洒落ショップはあっていいんですけど、その代案が育たないんです。自分たちらしい売り方、伝え方、取り入れてもらい方がマーケットだけやったら限りがありすぎて、そのために八百屋ってあると思うんですけど。それはずっと考えてるんです。

後藤 
日本でのお茶の文化として日本の人にもっとお茶を知ってほしい。なので、私はもっと茶畑に来てほしいと思っていて、特にお子さんに来て欲しくて。飲む機会とか作っていきたいんですけど。マーケットに出させてもらって本当に毎月来てくださるお客様とか会えるようになったのがすごく嬉しいです。

榊原 
素晴らしくなると思いますよ。ほんまに気持ちが合えば。みんなの気持ちが合えば実のある形にどんどんなると思うんですけど。今みんなバラバラなんですよ。今のお話をちゃんとした形で伝えたいですね。マーケットがインバウンドって話出ましたけど、インバウンドなかったらマーケットは成立しなくなるんですよね。土地の人でずっとマーケットに来てくれてるっていう人はもちろんいてくださっています。そういう人たちが奈良フードシェッドに求めてることって進化やし。だから今のままではあかん、進化していかないとと思ってる。インバウンドってほんまもんじゃないじゃないですか。インバウンドじゃない状態を基準にしたいですよね。

小國 
社会全体の大きな流れとしては、今おっしゃったこととは逆?違う流れを感じますもんね。

榊原 
こういう仕事してる以上は、地に足ついた形で、できるだけ表現したいし。めっちゃシンプルなんですけどね。

小國 
国が結構有機農業を推してきてるじゃないですか。それをどんなふうに見てますか?

榊原 
無理かなと、物理的に見て。。でもちょっと本気やねんなっていうのは思います。企業がいろいろ参入して補助金がいっぱい入って。でも人口が減ってきてる中で企業が農業に参入して、
AIとか工場とかを使って有機の農作物を作るっていうのがどれくらい威力を発揮するのか読めない。無理やろと思ったけど、あるかもしれないし。遺伝子組み換えのこととか種のこととか企業がどれぐらい農作物に対して、日本の農地に対して本気になるのか、海外が参入して来るのか、日本の種屋さんがどうなるか。だからさっき種屋さんが言ったように、小さい八百屋は大丈夫ですよ、変なところはなくなるからって。すごいですよね。マーケットも変なのはなくなるんやろなとずっと思ってる。だからフードシェッドを変なマーケットにしたくないっていうのはある。

船尾 
それは私も思います。本質的なことをブレずに持っているマーケット。でも榊原さんにひとりで背負わないでほしいっていうか。榊原さんが思い描いてる奈良フードシェッドファーマーズマーケットの理想の姿ってどんなのですか?

 

 

 

ラストチャンスやと思ってます



榊原 
理想通りにならずにずっと途上でいいです。でも今は具体的にはみんなのものを
1ヶ所に集めるぐらいの、架空でも何でもいいから日常的なプラットホームが必要やと思っています。月に1回の非日常空間のマーケットが日常の一部にある。もっと日常的に使える場としてここ五ふしの草もあって、でもここじゃなくてオンライン上でも。今は大手しか手軽に買えるところしかないから。自前の食料自治みたいなのができて、マーケットの出店者さんのものや、ファームシェアの野菜をウェブ上とリアルで販売する場。それができてそれでもまわれへんかったらしょうがない。でもまだそこまでいってないから。オーガニックのものって奈良では買い手が少ないので、やっぱり大きな自然派系流通ところがシェアと力を持ってていってて。でも大きなところばかりが独占的に売れている状況は好きじゃない。

小國 
そういうプラットホーム作るのって大変ですよね。フォームというか、そういう作るってなったら、めっちゃ大変ですよね。

榊原 
だから完全に僕の力不足でコツコツいくしかない。。料理人の意識の水準も大事になってくるけど、街に
オーガニックを選ぶ人も少ないし、マーケットのお客さんも1か月のうちマーケットの日以外は違う経済圏にいてて。やっぱりもっと日常的に買ってもらえる、応援してもらえる場所、方法が必要やなと。もちろんマーケットの日はちゃんとみんなの気持ちがお金という形で回ってるのは間違いない事実で。ヤナスタさんのお客さんがマーケットに来てくれて。ヤナスタさんだけじゃなくてほかのところでも買ってくれて。そんな人が増えてきている。それぞれのお店のお客さんが混ざってきてる。でもまだまだ力が弱いんです。

船尾 
確かに、昔からいつも来てくださっている方に加えて、新しく通ってくださる方も増えました。

榊原 
何か突破したくていろいろやるんですけどね。でも今、若い農家さんがマーケットに来てくれて、ラストチャンスやと思ってます。でも若い農家さんがずっと付き合ってやっていってくれるかは、、
どうでしょうね。利益にならないところからは離れるでしょう。利益ももちろんあるし、それ以上のものもあるっていう提示をしたかったけど。マーケットに来て、1年出店して、何も残らないと悪いなと。経済的に採算は合ってほしいし、トントンであったら許してもらえるかなとか思うんですけど、利益がないのに「マーケットって気持ちは温かくなるでしょ?」とか言われたら嫌でしょ?(笑)消耗していくだけとか。若い農家さんたちは優秀やから自分でプロデュースしてどんどん新しい技とか繰り出していく。そうやってきてる人見てるんで。でもそれではどんどん本当の自分たちの足元が固まっていかないっていう側面もある。でも今出てくれてる農家さんはマーケット出店し続けてくれてるっていうのは、すごいこと。それはもともと仲良かった仲間もいてるからとかもあるやろうけど、でもいつまでもそれに甘えられないですね。

後藤 
すごい全体像がわかりました。

安川 
単純にマーケットと五ふしの草はわざと連動させてないんですか?連動させる道はなかったんですか?

榊原 
なかったですね。私的になるから。私的になりたくない。私的になるといろんな可能性も縮まると思う。そこは厳しくしたい。でも全く連動しないわけじゃない。ウェブサイトに関しては前は一切マーケットと五ふしの草が絡んでること絶対出さなかったけど、最近は「マーケットの向こう側」で絡ませたし。変わっては来てます。

安川 
何年か前にマーケットの出店者さん少なくなったとき、八百屋として出店してましたよね。
あの感じは今はちょっと違うんですか?

榊原 
最近はマーケットの共有物備品の出し入れとか出てきて、そこに八百屋の出店の準備も重なったら、もう結構おっさんしんどいんですよ、出店準備(笑)。でもマーケットで農家と八百屋が共存したいですよね。あったらいいなって思う。でもお客さんとしては、農家さんにないものを仕方がないから八百屋で買う考え方、公平さとリスペクトがない状態やからそれは無理かな。マーケットのお客さんの数とか野菜の売れ行きをみてたらそれはまだ無理かな。

小國 
疑問に思いつつも抜け出し方も分からず生活してるって感じてる人も多そうですね。
SNSでも情報があふれて垂れ流し状態で、どんどん流れていく生活そのもののスピードが、じっくり思考できる設計になっていない。今、少しでも立ち止まってみることが必要なのかなって思います。榊原さんのそういう哲学的な部分とかそういうところに惹かれて出店者も集まってる人も多いんちゃうかなと思います。お客さんでもそういうことを感じてる人もいてはると思います。

船尾 
榊原さんがおもろいからマーケットに出てる人もいますよ。利益とかだけじゃなくて。

安川 
それについてどう思います?

榊原 
いや、僕がアホやからちゃいますか(笑)負け戦がんばるアホ好きにはウケるんやろね(笑)

船尾 
榊原さんの頭の中ってどうなってんのやろ?と思って私は見続けてますけどね。榊原さんが思い描いている未来を見たいと思って裏方手伝ってる。

榊原 
僕も見たいです。米澤さんとかハト畑とかマーケットに戻ってきてくれて、若い農家の子もおって、ベテランもそばにいてて、お客さんの理解も進んで、農家さん同士が話して情報と技術を交換して、お客さんとも交流できて。ウェブサイトは形式的にはでもいいんですけど、ちょっとずつそこでも売れてみんなの人生の糧に変わって。。最近はいろいろがんばったおかげで京都とか和歌山の農家さんとみんなが繋がれたしね。いろんな農園に行く機会とか定期的に更新してたら、すごくいいなと思います。農的な道に行きたい人とかが常にどこかの農園にアクセスできる。お茶摘みやって、稲刈りやってとかそういうのができてほしいなと思ってます。大阪でマーケットやりたいっていうのは、そういうのも含めて形にしたいなと思ってます。靭公園とか、中央公会堂とかでファーマーズマーケットできたらいいなと。

船尾 
いいですね。

榊原 
マーケットに関しては悩みが楽になったことないです。ずっと葛藤と矛盾で来てるんですよね。それはいい加減捨てて、何か具体的なものを生み出して大人にならんなあかんと思います。

後藤 
でもそこがあるから魅力があるんだなっていう感じします。榊原さんに会ってから、ジャックファームとしてはすごい転機だったんで。ものすごく変わりました。今日のお話聞いて、新鮮で勉強になりました。

榊原 
ほんまですか。出会いってすごいですよね。もっといろいろいい出会いが増えたらいいですね。

船尾 
最後にみなさん感想というか一言いただけますか。

後藤 
これまで
15年も続いている本質的なNARA FOODSHED の魅力の源を垣間見させて頂きました。そこには、偽りの無い草の根運動として多くのご苦労がある働きの中で、より小さな立場に共感し、またそれぞれの個を大切にされる想いが、月に一度の街中で農を通して、人と人が出会い、学び育ち合う魅力ある空間を築くことに繋がっていることを感じずにはいられなかったです。 FARMERS MARKETから、この先どんな風景が見られるのか、更に楽しみになりました。ありがとうございました。

小國 
榊原さん、今回の座談会までにも沢山お話し聴かせていただきました。お忙しい中ありがとうございました。榊原さんは裏方気質ですよね。私は榊原さんの事を主催者、運営側という立場の人として見ていたなーって。そこに立ってる人の背景を理解しているようでまだまだ分かっていなかったなと。榊原さんが五ふしの草というオーガニックファームスタンドをやっていること、五ふしの草では
CSAをやっていて、その活動の中には日々の暮らしで何を選択していきますか?毎日どこに投票してしますか?っていう問いかけや思いがある。奈良フードシェッドのファーマーズマーケットは非日常のイベントなのではなくて、日常にあるもの。マーケットに集まる生産者さんと参加者とをつなぐ入り口だと考えてはるんだなと。マーケット、ファームスタンド、CSAが三位一体となって続いていくことが榊原さんの考える有機農業を支えるということなんだなと、全体像を初めて理解できた気がします。マーケットを非日常な場に留めないためにも、この全体像のことや榊原さん自身の思いがもっと広く伝わってほしいなと思います。私も生産者さんと参加者(お客さん)との間にいる者と思っているので、これからも五ふしの草さんと一緒に今できることを積み重ねていきたいと思っています。

安川 
私がNARA FOODSHED FARMERS MARKETに感じている魅力は「難解な榊原さんの思考」だと思っています。いや、思っていました。今回の座談会を経てほんの少し榊原さんのビジョンが見えたような気がしています。『売り手によし、買い手によし、世間によし』という近江商人の「三方よし」という経営理念もありますけど、有機農業を軸にして、関係するより多くのヒトモノコトに良い影響をもたらすための「未来志向」「持続可能」だったり「循環する交流」といった、より一層深みのある榊原さんの考えは「四方よし」または「八方よし」というのか、はたまた「シン・三方よし」なのか…。って思いました。
ヤナギモトスタンドは7〜8年NARA FOODSHED FARMERS MARKET に出店しているんですけど、たった7〜8年でも世の中は変化しまくりです。でも大切なところは決してブレることなく、種を蒔いて、育てて、収穫して、進化していくマーケットの「榊原一座」の一員として少しでもお役に立てればと思います。今回はありがとうございました。
あと、やっぱり思い出深い『有機農業映画祭』またやりましょう!!

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

【 マーケットの向こう側 】vol.6 Somi sweets & coffee 小國真以

 

“ NARAFOODSHEDと五ふしの草の共同制作で連載 ”

食べることを深く知り、考えるため
作り手や届け手、食べ手の思いを訊く

街のファーマーズマーケットに関わる人々を
“水を運ぶ者(裏方スタッフ)”がガイド的に寄稿するルポルタージュ
「マーケットの向こう側」

小さな農を土台とした地域循環の中で、
マーケット内外の農家さんや八百屋さん、料理人や裏方、お客さんたちの
人生にフォーカスし、作り手、繋ぎ手、食べ手の奥行きに触れる媒体です。

お互いの垣根を越えるきっかけになれば嬉しいです。

 

/ 文・写真 : 中部里保 (7.8.9枚目は奥田峻史さん提供)

/ 編集 : 赤司研介  榊原一憲

 


 

誰もが少し生きやすくなる未来へ。

2017年より、奈良市でプラントベース(植物由来の原材料を使用した食品や食事法)の菓子工房「Somi sweets & coffee」のオーナーを務める小國真以さん。
2025年には、家庭で出る生ごみや堆肥を持ち寄り、地域のコミュニティで共同管理する「コミュニティコンポスト」の活動を、育児をしながら開始されました。
お菓子作りとコミュニティコンポスト。
一見接点の見えない二つの物事になぜ取り組むのか。そこにはどのようなつながりがあるのか。その背景を聞くために、小國さんを訪ねました。
好きを仕事にするまでのこと 近鉄奈良駅から徒歩約10分。
若草山をのぞみ、静けさと人々の生活が感じられるきたまちエリアに、
小國さんと夫の惇さん、息子さんと犬1匹、猫2匹とが暮らす小國家の自宅兼工房があります。

 

 

 

小國 こんにちは〜!

3月のまだ肌寒さを感じるすっきりとした青空の下、小國さんはいつもの眩しい笑顔で迎えてくれました。
小國さんとの出会いは、自然農・有機野菜を扱う八百屋「五ふしの草」に勤めていた頃、
お子さんを連れて買い物に来られていたことがきっかけでした。
お店や奈良フードシェッドでお会いするたびに気さくに話してくださる人柄に惹かれて、いつかゆっくりお話したいなあとずっと感じていました。
そんな念願叶っての今回、知っているようで知らない小國さんに、そもそもの質問からぶつけてみました。

 

これを食べてもらったら絶対に楽しんでもらえる

 

ー そもそもなんですけど、お菓子作りを始めたきっかけってなんだったんですか?

小國 なんでやったんやろね。なんとなく……作る行為が好きやった。
図工も好きやったし、家にあった料理絵本を見たりして、子どもの時から親が家にいなくても、友達と料理の真似事ようなことをして遊んでいたのが始まりかな。
高校を卒業した後は、神戸にあるお菓子の専門学校へ行ってるのね。その時には「パティシエになろう!」と思って。結婚式のでっかいケーキを作りたかって。だけど、いざその業界に入ると、あれがほぼ細工された作りものだと知ってすごく驚いたな(笑)。

 

ー 早い時期から、お菓子の世界に進もうと決めていたんですね。

小國 そうでもなくてね(笑)。高校を卒業する前、地元の京都でバンケット(宴会のサービス)のアルバイトを始めて、専門学校時代もバンケットでずっと働いて。その時からお菓子よりも、そんな直にお客さんと関われる仕事にハマってしまって。
晴れやかな場が好きやったんよね。幸せな現場でする仕事にすごく憧れがあって。
それで結局、専門学校を卒業後はホテルで働くことに決めて(笑)。
あの戦場のような、お祭り騒ぎのような、スタッフみんなが誇りを持って働いているバンケットという現場が本当に好きだった。
その後、会社の経営状況の変化もあり、小國さんはバンケット業界を離れ、
バリスタ・カフェのスタッフとしてコーヒーやお菓子作りに関わっていくことに。

 

ー バリスタの世界へ飛び込んだのは、どういうきっかけだったんですか?

小國 バンケットでは人が作ったものを手渡す仕事をしていたけど、作り手にもなりたい気持ちが湧いてきて。
誰かに決められたものじゃなくて、なんかこう、「これを食べてもらったら絶対に楽しんでもらえる」って、そういう自信を持ったものを提供したかった。そんなことを考えていた時に、
自分が作り手にも手渡す立場にもなれるバリスタという仕事の存在を知って、「これや!」と思って。

 

ー 飛び込んでみて、どうでした?

小國 バリスタとして勤めて、自信を持っておいしいと思えるコーヒーを提供したいという気持ちがすごくあった。
でも、本当にバカなんだけど、当時の私はコーヒーが飲めなかった(笑)。おいしいコーヒーがなんなのかもわからなくて、その答えを探しあぐねていた時に、あるコーヒーの自家焙煎店を営む社長が「それやったら産地に行ってみる?」と言ってくれて。
それで中米のニカラグアへ、コーヒー豆の生産者に会いに行ったのね。

 

 

ー 実際行かれてみてどうでしたか?

小國 衝撃だった。コーヒーってなんなのかを実際見て、関わっている人の多さ、経ている工程、日本との生活水準や環境・文化の違いも目の当たりにして。
私はのうのうとさ、日々を暮らしていくことになんの危機感も感じずに、やりたいことだけをやってきているけれど、そんな私に対して、「この人をもてなしたら自分が作ったコーヒー豆を買ってくれるかもしれない、それで自分たちは明日も暮らせるかもしれない」という態度で接してきはるねん。
なんか、もうその……申し訳ない気持ちになって。なんて浅はかな気持ちでいたんだろうと。
その時に、「この人たちに対して私に何ができるんやろう」って思って、一層豆の個性・おいしさを表現できる技術を磨こうと思った。

 

ー 有機認証や農薬・化学肥料不使用栽培といったことを意識するようになったのはどうしてなんですか?

小國 コーヒー店に2年ほど勤めた後、バリスタとお菓子作りの経験を生かして京都のカフェに6年ほど勤めたんだけど、食材や加工品、カトラリーに至るまであらゆるものには作り手がいて、生産背景には自然と共生するための工夫や作り手の意図があるということを肌感覚で感じるようになった。
カフェのオーナーやお客さんを通じてたくさん教えてもらったなあ。だからコーヒーだけじゃなく、お菓子の原材料の背景も意識するようになったのがきっかけかな。

 

ー そこで、「カフェ」が出てくるんですね。

小國 当時の私は、「お客さんに笑顔になってほしい」という想いが人一倍強くて。バリスタとしてもっと上に行きたい、もっともっとおいしいコーヒーやお菓子を提供できるようになりたい、もっとお客さんが来てくれるようにしたいって必死だった。
それが自分の原動力なんだけど、反面こだわりが強くて、同僚に押し付けて傷つけたこともあったと思う。
同僚たちにも当然、それぞれの価値観がある。そのことに気付けなかったんだよね。「できるようになりたい」「認められたい」って気持ちが強くて。
それがいつからか、「自分のやり方が最善!」ってなっちゃっていた。
押し付けてたんやってわかってからは、こだわるのは自分だけでいいと思ったね。身の丈で始めようと。それで、開業することにしたの。

 

生産者とコミュニティコンポストへの思い 2017年、小國さんは奈良に拠点を移すと同時に「Somi sweets & coffee」をオープン。
京都を離れてこの地を選んだ理由を聞くと、「奈良に呼ばれて」と小國さんは笑います。

 

 

 

見えづらいことが当たり前になっている

 

小國 前から奈良はふとした時に行きたくなる場所で。通ううちに知り合いもできて、
「奈良で出会った人たちみんな優しいな」って感じていたら、間もなく物件の情報が入ってきて、その時の流れで他もあまり検討せず奈良に決めたんだよね。
開業当時は、イートインだと一人ではなかなか回せないから、お菓子をテイクアウトで販売して。
ずっと淹れ続けたエスプレッソも提供したかったけど、初期投資で機械が必要だから、それならドリップでやろうと。それを店の軒先で飲んでもらえるようにしていたんだけど、コロナで難しくなって。

 

2017年から2021年まで、きたまちでちょうど丸4年くらいお店をして、その後に結婚。息子が誕生して、今の出張販売のスタイルに落ち着いた感じかな。
お店のウェブサイトには「生産背景がわかる、人にも自然にも優しいお菓子作り」と書かれており、小國さんは「奈良フードシェッドという場が自分にとって心地良い存在になっている」と話します。


小國
 今の生活って、口にする食べ物や着ている服は誰が作ったのか、どこから来たのか、見えづらいことが当たり前になっている。
意識しても知ることが難しくて、知らぬ間に受動的に選び取っていることも多い。
それに、知ろうとして情報ばかりを集めても肌感覚が伴わなくて苦しくなってしまうこともある。
もちろん、生産背景が見えないものにも私は支えてもらっているんやけどね。
奈良フードシェッドでは、手にしたものの向こうにいる人や自然の存在を直に感じられることで、背景に想像が膨らむようになって、
毎月顔を合わせる関係性が生まれたり、今自分が生きている世界がより色濃くなったんじゃないかなあ。
奈良フードシェッドって、きっとそれを感じられる数少ない場所だと思う。
榊原さんがローカルな場所と出店者にこだわって開き続けてくれているからなんやろな。
自分も、そんな生産背景を感じられるお菓子作りを大切にしたいと思ってる。

 

ー そうした思いが、コミュニティ作りの活動につながっているんですかね?

小國 そう。それともうひとつ、初めて経験した育児での孤独がきっかけ。
「こんなに孤独を感じやすい状況で今生きてる人は育児してるの? しんどすぎひん?」と思って。
昔はきっと、もっといい距離感でご近所付き合いがあって、周りの大人が複数いる中で子どもを育てる環境があったんだと思うけれど、今はそうじゃない。
だから、これからの時代は安心・安全を感じられるコミュニティが一人ひとりに必要なんだなと強く感じた。

 

ー その方法が、なぜコンポストだったんですか?

小國 きっかけは二つあって。ひとつは仕入れ先の生産者さんと出会ったこと。
近い関係やからこそ見えてきた生産背景には、気候変動の影響を最前線で受けながらも、
さまざまな工夫を重ねて作物や自然と向き合っている生産者さんの姿があって。
そんな生産者さんに、私たちの日常を支えてもらっているし、その農作物があるから、
私はお菓子を作れていて、それを「おいしい」と言ってもらっている。 いつも「もらっている」という気持ちでいるし、なんかもう、生産者さんに任せっぱなしやなって。身の丈で開業するって決めたけど、一人でやっていると仕入れられる量ってすごく限られていて、「生産者さんを支える」だなんてよう言わん。
自分一人でできることの小ささを、開業してからずっと感じてる。

 

 

気づくと漠然とした日々の不安とかも少しなくなってる

 

ー もうひとつは?

小國 もうひとつは、『サーキュラーエコノミー実践』という本に出会ったこと。
京都のアースデーに息子と行った際に、著者の安居昭博さんが出店されていて、興味が湧いて読んでみたら、めちゃくちゃ面白かった!
ものすごくワクワクして。 掲載事例の中にコミュニティコンポストって活動があることや、
生ゴミを堆肥にすることで元気な野菜を作れるようになることを知って。
自分たちが出すゴミが資源になって、もしかしたら生産者に還元できて、一方的にもらっている状態から循環に変えていけるかもしれないと感じた。

 

小國 しかも、コミュニティコンポストが社交の場になって、いざという時に助け合える関係性が生まれたり、できた堆肥で野菜を作れたりする。そのことが「自分たちの生きる力になる」て言ってはる人もいて。
自分自身も育児に孤独を感じていたこともあり、「これをやりたい!」って強く思った。
それで南山城村で堆肥の学校をされている「ハト畑」の坂内さんに講師をお願いして、心強い方々と共に始めました。

 

小國さんが主催するコミュニティコンポストの参加者は、自身も家庭菜園や畑をしている方が多いそう。
「同じ目的を持って集まり、生き物の営み、自然を感じながら体を動かすことで関係性も深めやすいと感じている」と小國さん。


小國
 なんかさ、面と向かって「関係性を深めるために話をしましょう!」って言っても難しいじゃない?
一緒に体を動かしたら、それだけで緊張がほぐれて、ぽろっと話せることが生まれたりする。
そんなきっかけになるんじゃないかなと思うんだよね。
あとね、みんなでお世話するコンポストそのものが、たくさんの生き物の営みで、それを直に感じると私は感動して、
うれしくなって、気づくと漠然とした日々の不安とかも少しなくなってるんだよね。

 

(奥田峻史さん提供)

 

(奥田峻史さん提供)

 

ー これまでの活動を通じて、今後はどうしていきたいですか?

小國 コミュニティコンポストはコミュニティで作ることが目的だから、
その人に不安や苦しみがあるなら、それを少しでも軽くなる場になればいいなと思う。
みんなが今よりもうちょっと幸せに暮らせるような未来につながったらいいなって。
「Somi sweets &coffee」としては、またいつかは店舗を構えたい。
だけど今は息子との時間を楽しみたいから、また「今や!」っていう時がきたら動き出すかな。

 

「楽しんでる。けど、毎日必死やね」と、ポツリと口にした小國さん。
その言葉は、育児への思いと家族への感謝の気持ちにつながっていきました。

 

小國 私が感じてきた育児への孤独は、結局赤ちゃんと向き合うのがしんどいんじゃなくて、
今までの自分の生き方と向き合うことがしんどかったんだと思う。
育児をしていると、自分に課してきたこと、自分で許してこなかったことと向き合わざる得なくなる。
心のどこかで、「誰かに求めてもらえる自分でないといけない」って感じていたんだよね。だけどそんなことはなくって。
自分を幸せにするのも、自分を元気にするのも、自分。そのことが、いろんな人と関わりながら、教えてもらいながら、ちょっとずつ、やっとわかってきたような気がする。特にその機会を与えてくれた息子と夫には、本当に感謝しています。

 


 

この日、実は私自身が2ヶ月後に出産を控えたタイミングだったのですが、
私がまさにこれから向き合ってゆく子育てと仕事への不安は、帰り道を歩く頃にはすっと軽くなっていました。
誰しもがどこかに抱えている孤独や葛藤に向き合い続けてきた小國さんの言葉は、私の胸に迫ります。
もがきながらも、小國さんはいつだってやりたいことに真っ直ぐで、とても楽しそう。
いつも側にある日々を大切に、小國さんのように自分を幸せにできる人で在りたい。そんな風に感じた、心に残るインタビューでした。
眩しい笑顔で、たくさんのことを聞かせてくれた小國さんのこれからを、引き続き私も楽しみにしています。

 

(奥田峻史さん提供)

 

 


年末年始

良いお年をお迎え下さい
……………………………………………

改めまして15周年祭
有難うございました!!!
おかげさまで全行程無事終了。
ご参加いただき感謝です

そして何より皆様は、
この街に、
オーガニックで背骨もちゃんとある
ファーマーズマーケットを育てることに
成功したとも言えます。
誠におめでとうございます!

バックに経済成長第一の量販店も
企業も行政も宗教団体も、
政治も何もついていない取り組み。
小商いの挑戦、
無名の挑戦、土の力を頼りにした組み合わせ

可能な限りパブリックを意識していて
独立精神が旺盛で、
地球第一主義な草の根の市民活動

量販的なプラットフォームへの依存、
マーケティングとブランディングばかりの流通、
一握りのための有機農業しかない環境の中で、

なかなか無い温かみを
構築することができましたね。
本当におめでとう御座います

次に続く心ある生産者や、
暗部や底辺を見つめる流通、
格差のない平和を愛する良識ある市民が、
あるいは違う善意あふれる道が、
この世界にかもしれないと感じることができれば、
それは一つの大きな達成だと思います

年内は無事終了。
1月のマーケットは、25日餅つき大会予定。
八百屋は5日から。
みんなテーブルの名残を頑張って販売します!

2026年
引き続きどうぞ宜しくお願いします


“みんなテーブル” ミニマーケット

○記念トークセッション○
&
○ミニマーケット○のお知らせ

“小さな農を土台とした地域循環”
というコンセプトで、
続けてきたローカルアクションもはや15周年👍

ファーマーズマーケットは通常通り、
最終日曜日奈良駅前ですが、
マーケット終了後に駅前広場から
歩いて行けるBonchi @bonchi.nara に移動
夕方からNF15周年記念トーク
&ミニマーケットを開催します❗️

・・・・・・・・・・

NF15周年記念
「みんなテーブルミニマーケット」
&「特別トークセッション」

12月28日(日) 16時〜19時半

Bonchi  @bonchi.nara  1Fと4F にて
参加費:1000円

・・・・・・・・・・・

今回の記念開催の肝心要、
それぞれの気持ちの交換タイムです!
この定点を経由しないと、
ファーマーズマーケットは
表面芸だけで終わってしまいます。
ぜひローカルを愛するに多くの方々に
居合わせていただきたいです!

特別トークセッションの詳細
_____________

テーマ:
ファーマーズマーケットをめぐる3つの視点

16時〜17時
“ 中山間地で今起きていること ”

羽間農園 × 田原ナチュラルファーム × Jackfarm
@hamanouen @fukui_sawa @jack_farm_kyoto

「人と森、動物の最前線で、政治、インバウンド、そして何より異常気象に振り回される中、自然栽培を営むベテラン農家に今何が起きているか?をお聞きします」

___

17時15分〜18時15分
“ ファーマーズマーケットの光と影 ”

めぐるファーム × 畑のあかり × oyatsu somaya
@meguru.farm @hatakenoakari @oyatsu_somaya

「街におけるファーマーズマーケットとは一体何なのか?直売所と宅配流通に支配されたオーガニックシーンの中で、かすかな存在価値を若手農家の感性から紐解きます。」

___

18時半〜19時半
“ 弱小農家と八百屋のはなし ”

ハト畑 × 五ふしの草
@hatobatake

「ファーマーズマーケットを支える八百屋について、小農チームで挑戦したCSAについて。その失敗と成功を経て中堅農家と八百屋が進むべき未来を予見します。」

“みんなテーブル”の詳細
__________

16時〜19時半 “ ミニマーケット ”

「みんなテーブル」というミニマーケットが1F
「特別クロストーク」が4Fという配置です!

ミニマーケット特別出演↓

特設ブース /
NFファーマーズマーケット一同 @nara.foodshed

「全出店者さんのオススメを集めたテーブルをこしらえます。野菜、物販コーナーを今までにない形で表現」

フード /
パン工房okage @okage_insta

「小規模農家さんの地野菜を使ったピザや天然酵母パン。作り手との信頼をビジネス以上に構築する人格も必見」

展示販売 /
Indigo classic @indigo_classic_nara

「生産から販売まで独自の哲学を貫く、今一番勢いのある職人の美しいプロダクト。手に取り、実際に目で見ることでしか味わえない確かさがあります」

ドリンク /
Yanagimoto STAND  @yanagimoto_stand

「奥大和を凌駕するdeep奈良を持で体現するコーヒースタンド。有機農産物を使用したホットドリンクや温かい雑談が楽しめます」

いつかやってみたかった編成😆

月に一度の非日常的な使い方から
脱却できないファーマーズマーケット。
何とか日常に奈良フードシェッドの
心ある農産物や製品を、
バラバラではない形で暮らしに届けたい。
ついにそのスタートラインに立つことができそうです!

月に一度人間らしく、大量販やカタログでなく
マルシェで食糧を暮らしに取り入れ、
それ以外の日は、画一的で均一的な食料システムに
身を委ねることしかできない現状への
カウンターカルチャー!

___

さらに出店者さんや
マーケットを常に応援してくれてきたお客さん、
水を運ぶ裏方さんと一緒に
忘年会を19時半〜21時ごろ行います(別途会費1000円)
→料理のみで、飲み物は各自ご持参ください。

こちらもぜひ飛び込んでいただきたいです!
全てを受け止めて、受け入れてくれる
Bonchiさんの懐、器の大きさに感謝しかありません

いつものメンバー、いつものお客さん、
普段会わない出店者さん、
新しいお客さん同士で意見交換が
できればと思っています。
一緒に考え、雑談できて、
ついでに何かが浮かんでくるような
節目にとも考えてます

ローカルムーブはどこに向かうのか?
とにかく農の力を信じて、
あれこれコミュニケーションを
とってみようという機会です🌱

それぞれが属しているコミュニティにとっても、
進むべき良いきっかけがある機会にしたいと
思っていますので、
ぜひご参加よろしくお願いいたします

#15周年記念トーク
#narafoodoshed
#bonchi
#みんなテーブル


マーケット出店者一覧

○ファーマーズマーケット15周年○

🎉出店者一覧のお知らせです

“小さな農を土台とした地域循環”

というコンセプトで、
地域の小規模有機農家を大切にして
生きていこうよと、
マーケットや好きな企画をしてきた
ローカルアクション

12月で15周年を迎えます👏

そこでこれまで経由してくださったり、
お世話になった方、
新しくご一緒できないかと思う方にお声掛けし、
特別バージョンでのマーケットを開催します‼️

みなさまお忙しい年の暮れになりますが、
ぜひ遊びに来てください。

・・・・・・・・・・

「 NARA FOODSHED FARMERS MARKET 15周年 」

12月28日(日)

9時〜14時
“ ファーマーズマーケット ”
奈良駅前広場

16時〜19時半
“ 15周年記念トークセッション ”
“ みんなテーブル・ミニマーケット ”
Bonchi @bonchi.nara

・・・・・・・・・・・

出店者さん↓
⁡______

◯INDIGO CLASSIC
@indigo_classic_nara

◯oyatsu somaya (自然農の野菜、菓子など)
@oyatsu_somaya

◯olu vegan sweets in NARA(スイーツなど)
@olu.nara

◯Oak Farm
@oakfarm.homestead

◯Korekara Flowers(生花、花瓶など)
@korekara_flowers

◯シガセイサクショ(草木染め布製品、山の収穫物)
@norigonshiga

◯Jack Farm(お茶、米など)
@jack_farm_kyoto

◯新鮮しいたけ岡本(原木しいたけ)
@fresh_shiitake

◯sugano organic(肌着)
@sugano_organic

◯spice curry peanuts peanuts
@spicecurry_peanutspeanuts

◯紡生(布なぷきん、下着など)
@nunonapu.tsumugi

◯田原ナチュラルファーム(お茶、野菜)
@fukui_sawa

◯nijiiro cafe(おむすびのお弁当など)
@nijiiro_cafe

◯畑のあかり(加工品、グッズ)
@hatakenoakari

◯ハト畑(野菜、米粉加工品)
@hatobatake

◯はちまつ養蜂農場(はちみつ)
@hachimatsu88

◯harasawa farm
@kojiii_man

◯パン工房okage(パン)
@okage_insta

◯パンと暮らし ぷくぷく亭(パン)
@bakery_pukupuku

◯pinon +(お野菜を使ったスイーツなど)
@pinonplus

◯まめのんき(コロッケプレート、粕汁など)
@tsuge_hinode

◯まるしん豆冨店(とうふなど)
@marushintofu

◯む〜む〜まるしぇ(焼き芋、野菜など)
@yukiiisunsun
@e.ito

◯睦実(米粉パン)※10時から
@itsukigama_mutsumi

◯めぐるふぁーむ(野菜)
@meguru.farm

◯Yanagimoto STAND(オーガニックコーヒー、
ジンジャードリンク、コーヒー豆など)
@yanagimoto_stand

◯red rice 自然農園(野菜)
@redrice.sizennouen

◯マーケット事務局(しめ縄づくり)


今回いつものメンバーに加えて、
卒団した出店者さんや、
卒団したかのような立ち位置の出店者も
参加してくださいます🌱

当日に向けて、改めて参加する方々も
順次紹介させていただきます!

___

▷マーケット後には、
スペシャル企画がBonchiにて!

“ 15周年記念トーク&ミニマーケット ” です❗️

親和性が勝手に高いと感じているBonchiさんで、

「みんなテーブル」というミニマーケットを1Fで
「15周年記念トーク」を4Fで

開催します!詳細は別途お知らせします!

___

以上、詳細は随時発信してまいりますので、
ぜひチェックして参加して下さい

本格的な寒さで、生命力が全開になる
作物や、心を込めた作り手の言葉

支える人々の愛と献身を感じて
奈良駅前をピースフルな空間に!

みなさま15周年祭
どうぞよろしくお願いいたします!⁡



主催 /
奈良フードシェッド・ファーマーズマーケット実行委員会

企画、運営 / 五ふしの草
︎︎︎︎
後援 / 奈良市

#15周年
#narafoodoshed
#farmersmarket
#farmshare


NF15週年祭

○15周年祭のお知らせ○

2010年12月にはじまった
ファーマーズマーケット🥕

小さな農を土台とした地域循環を求めて
コツコツ、コツコツ、、
たくさんの方々に支えられ
積み重ねて登って参りました!

おかげさまで今月15周年を迎えます🙌

お祝いにあれこれ特別バージョンで開催しますので、
是非見守ったり、参加したりしてください

・・・・・・・・・・

「 NARA FOODSHED FARMERS MARKET 15周年 」

12月28日(日)

9時〜14時
“ ファーマーズマーケット ”  奈良駅前広場

16時〜19時半
“15周年記念トーク&ミニマーケット” Bonchi @bonchi.nara

・・・・・・・・・・・

前夜祭的に、
お蔵入りしていた「マーケットの向こう側」という
ルポルタージュ、コラムシリーズも復活します

裏方の五ふしの草@itsufushi も
12月で16周年😭

公害問題から文化にまで急成長した
オーガニックシーンの中で
失われた2010〜2020年と言われる時期に
常に現場で観察した「有機農業白書」を
約5年の養生を経てリリースします

ぜひご期待ください!

_____


⁡ “ ファーマーズマーケット ”  について

今回いつものメンバーに加えて、
卒団した出店者さんや、
卒団したかのような立ち位置の出店者も
参加してくださいます🌱

当日に向けて、
改めて参加する方々も紹介させて
いただきます!

“ 15周年記念トーク&ミニマーケット ” について

親和性が勝手に高いと感じているBonchiさんにて

「みんなテーブル」というミニマーケットを1Fで
「15周年記念スペシャルトーク」を4Fで

開催します!
詳細は改めてお知らせしますが、
ファーマーズマーケットとは、一体な何のか?
についてにじり寄りたいなと思います

さらに出店者さんや
マーケットを常に応援してくれてきたお客さん、
水を運ぶもの→裏方さんと
大忘年会を19時半〜21時ごろ行います。

全てを受け止めて、受け入れてくれる
Bonchiさんの懐、器の大きさに
感謝しかありません

___

以上、詳細は随時発信させていただきます!

ぜひチェックして、お好きな時にお好きな場面で
参加して下さい

この地域に、
思いやりというか心がしっかりあって、
小さいけれど
大きな企業群に負けない含蓄も気骨もある
地球環境第一主義の土臭いマーケットが
奇跡的に根ざすことができた🌳

その喜びをみなさんと分かち合えるのを
楽しみにしていますので、
お見逃しなきよう
お付き合いどうぞよろしくお願いいたします!


主催 / 奈良フードシェッド・ファーマーズマーケット実行委員会

企画、運営 / 五ふしの草
︎︎︎︎
後援 / 奈良市

#15周年
#narafoodoshed
#bonchi
#farmersmarket


DESIGN EAST 種と旅と 2025

DESIGN EAST 種と旅と 2025

に出店参加してきました。

事前の告知はSNSでした。
こちらは振り返り、なんとなく気が向いたので上げておきます。

8年前か9年前にお客さんで行きました。

そこでの種の展示、タナカさんは就農したてか始まる前、
金子さんの八百屋の表現も、
POMPONCAKESさんの完璧な笑顔など
どれも素晴らしく、なかなか時間が立っても残っており
今回楽しみにしてた企画でした。

以前の荒削りなイベントから、かなり洗練された印象で、
行き届いていて内側も、外側もよかったです
同じ様な感覚を持つ、様々な立場な方々と会えたのも。

kuromameさんのトークがピークでしたが、
常に人が穏やかに行き交い、ピースフルな空間が心地よかったです。
なんとなく、大阪の現役層の角が取れて、以前より丸くなり、
本来の深さが良い方向に動き出すような感じが致しました。
この世代が最後に何を繋げていけるかこれからが楽しみです。

クリエイターのイベントにも関わらず野菜や味噌、昆布も完売。
料理人、料理教室で、食材をたくさん利用してもらう喜び。
奈良では、消えかけている炎などもう一度思い返せました。
さすがの組み合わせで、種と命の展示も圧巻で、
奥津さんもすごかったし、場面設定業、姿勢態度も勉強になりました。

やはりその時、その場でしか受け取れないものがあるので
参加できてよかったです。

心を込めること。
手を抜かないこと。
迷い込むこと。抜け出すこと。
などなど大切な気づきがたくさんありました。


夏季休業

蒸し暑い日が続きますね。

6、7月は平均気温が4度以上高かったそうで、

農業へのしわ寄せも限界にきている気がします。

店の方の夏期休業は、8月12〜16日です。

休み明けは、今年もぶどうと桃の予定です。

皆さま良いお盆をお過ごしください。


種と旅と 西日本編

良い写真、良い風景ですねー

いよいよ始まった「種と旅と」
@tanetotabito
に 参加させていただきます!

“種と旅と”とは風土に根ざすものとタネを真ん中に。
というコンセプトで、
全国で一定期間 タネを大切にして生きていこうよと、
地域々々で好きな表現をし、
オンライン上やリアルで共有するアクションです

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冷ややかでやりにくいことが多い、
オーガニック業界の閉塞と停滞。
農家さんの分離も日々厳しさを増す中
そんな状況を打ち破ってゆく取り組みで、
文化、芸術、いろんなジャンルが混合した
極めて珍しいムーブメントだと思います

知らない方もおられると思いますが、
種と旅と と
種を蒔くデザイン展 は、
オルタナティブな機能、装置として
すでに目覚しい成果をあげていると思います
知らなかった方は、
これから是非注目して見てください

参加する人の密接さ
それぞれの地域の工夫、心配り。
奈良からの参加もビッグバンドの中で
演奏させてもらっている感覚があります

これまでの仕掛ける側の試行錯誤やアグレッシブさも
この装置、アクションの持ち味。
ボーダレスで、無視できないムーブメントに
なりましたし、
最新の食文化の中では、種や種農家さんの存在を、
取り入れなければならない機運も生み出しました

本当にこの流れがなければ、
なんか物足りない現役世代に
なっていたのかもとちょっと思います

ミコト屋さん、タネトさんの
音楽を連想させる世話人コンビは、
派手な打ち上げイベントだけでなく、
様々な独創的な企画で、一本調子になることもなく、
堅実なテクニックで、巧妙に地域の様々なポテンシャルを引き出す魔術師のようです

なんでそういうなかなか本当の意味ではできない、
ボーダレスな装置を独立系八百屋が創り得たのか?
クレジットの八百屋の位置付けを見ても
いつも不思議に思います。

長くなりましたが、今回こちらは、
難しいことなしで気楽に参加します
いくつか連動企画、
だんだんさんとの「在来種のお野菜とお蕎麦の会」
など考えていて 楽しみにしています。

#種と旅と
#オーガニック直売所タネト
#青果ミコト屋

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